コロナウイルスで不動産市況が変わってくる?

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コロナウイルスの感染者数が急増化しており「パンデミックが加速している」とWHOが警告する過去に例を見ない事態となっています。

このままだとリーマンショックやITバブル崩壊時以来となる、本格的な世界不況に突入しそうです。

3月になって全世界でもコロナウイルスが急速的に加速していることで、このまま収束しなければ不動産業界にも大きな影響を及ぼす事態になります。

日経平均の株価は一時16,000円台まで落ち、ダウも乱高下を繰り返しています。ただ、リーマンショックのような金融危機とは異なり今回のコロナウイルスは天災のようなものなので今後どういう影響を不動産業界に与えていくのか予想していくことはプロでも難しいです。

不動産価格は株価と同じように下落していくのか? 売り時や買い時はいつ頃なのか? 最適な判断を下せるプロの業者もいないことでしょう。

今回の新型コロナウイルスは特にホテルや飲食などの商業施設やビル等の不動産に大きくダメージを与えるでしょう。不動産業界の中でも最も影響を受けている業態です。その次にオフィス系です。経済が悪化することで賃料滞納や空室率の悪化を招くことになります。そうなってくると数か月にはオフィス系の不動産も影響を受けることになります。

最も影響を受けないのが実需です。ただ、高価格帯(5,000万円以上)の中古物件やシェアハウス・民泊物件などはすでに売れ行きが鈍くなりつつあります。

小池都知事が週末の外出自粛要請をかけたことにより、不動産業者の営業活動も多かれ少なかれ冷え込んでしまうでしょう。週末の内覧控えも増えてくるでしょう。

これは短期的に消費者マインドが下がってるだけで、コロナウイルスが収束すればすぐに買い手が戻ってくることも十分にあります。

結局、このコロナウイルスの収束が長引けば長引くほどに日本の経済活動もストップするため不動産市況が益々悪くなっていくことは間違いないです。

収益物件でも売り上げの低下、特にシェアハウスや民泊関連の物件が売れないと嘆く知り合いの不動産業者もおりました。外国人観光客等もいなくなっているため、コロナウイルスが解決しない限りはシェアハウスや民泊関連の物件を扱っているオーナーや不動産業者はダメージを負うことになりそうです。

もちろん、実需のほうもノーダメージとはいきません。今現在でも買い控えを選択する方は多いですが、もしもこれから経済不況に本格的に突入してしまったら株価だけでなく不動産価格も落ちてくることでしょう。

リーマンショックとは違う?

リーマンショック時の金融危機とは違い、コロナウイルスではまだ金融危機が起きたわけじゃないので、不動産価格がそこまで落ちることはないと言うアナリストもいます。

確かにリーマンショックはサブプライムローン問題を発端とした金融危機が不動産業界に大きく悪影響を与えました。

しかし、今回のコロナウイルスも実態経済へのダメージは既にかなり発生しており今後コロナウイルスが収まらない可能性があります。

そうなってくると、コロナウイルスが金融危機の引き金をひくという最悪の事態も考えられます。金融危機が起きることで、さらにまた実体経済に悪影響を及ぼしてしまいパニックに陥ってしまうでしょう。

全業種への影響もあり、コロナウイルスの影響を受けた中小企業の資金繰り相談は2月1日から3月19日で20万件を超えています。

それに、これからも外出自粛要請や店舗閉鎖等が起きることは日本でも十分に考えられるため、NYやイタリアのような感染者増大の状況になってしまった場合にはリーマンショックを大きく超える危機が日本に訪れるかもしれません。

どれぐらい不動産価格が落ちてしまうのか

そもそも今までが不動産価格は高すぎたと言われています。ここ5年から6年は不動産価格がかなり上昇しているため、いつ不動産バブルが弾けてもおかしくないと毎年言われてきました。

リーマンショック時や東日本大震災の時、SARS流行した年、ITバブル崩壊時においても、不動産価格は多かれ少なかれ下落しています。

コロナウイルス問題はまだ発生してから2か月から3ヶ月の為、すぐに不動産価格は下落していません。しかし、買い手がつかなければ、ファミリー向けの実需の新築マンションや中古住宅も徐々に価格が落ちていくことが考えられます。

また、私の知り合いの工務店やリフォーム業者でも、「資材が入ってこないので現場で仕事が出来ない」といった声がちらほら上がっています。

どうやら中国からトイレ等の資材がきていたため、新築物件やリフォームでの現場でも足止めをくらっているようです。こういったことも、不動産価格に悪い影響を与えていくことでしょう。

不動産業界に限らずの話ですが、コロナウイルスの収束が夏を超えてしまう場合には倒産や廃業を考えてくる不動産会社も出てくるでしょう。

そうなってくると業者販売の物件は損切でますます安くなってくるため、市場にある不動産価格も落ちていくことが考えられます。

今、売却を検討してる方はどうすべきか

今、引っ越しを延期してる人は増えています。そう考えると買い控えする人が増えていることになるので、物件を売り出したとしても反響は思ったより少なくなってしまうかもしれません。

5月6月頃になってコロナウイルスが収束していれば不動産市況も多少落ちついている可能性はあります。売り急ぎや相続などの事情がある場合を除いて、様子見をしても良いでしょう。

短期間で売りたい場合には思った以上に値段がつかない可能性も考えられるからです。

仕入れを控えている業者や買主も多く、希望価格では買い手がつかないことが考えられます。この3か月だとコロナウイルスが収束していない可能性もあるため、住み替えや買い替えを考えてる方は先送りすることもありでしょう。

空室率が増える? 利回りが悪くなる?

不動産リートは前日比でマイナス20%になる銘柄も多く出ていました。特にホテル系やオフィス系のリートが大きく値下げりしています。

レジデンス系(住宅)の値下げりはホテル系に比べたら低いもの、同じようにコロナウイルスによる大きな値下がりをしています。

実物不動産でも空室率や稼働率が悪くなっていて、利回りが下がっていってしまうこともあるでしょう。

ただ、家賃が20万円以下の相場の物件であれば、本格的な不況に突入したとしてもそこまで大きな影響を受けずに自助努力で空室リスクを解消することは可能です。

オフィス系や店舗、シェアハウス、民泊等の収益物件は影響を受けることが考えられるため、売り時や買い時を十分に見極める必要があります。

実際にリーマンショック時の2008年からアベノミクスが始まる2012年までは毎年地価が10%以上下落していました。

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