販売価格が高くて、販売してる不動産が半年から1年も売れ残ってしまうことがあります。
売れ残りの原因として、売主の希望価格が高すぎる、もしくは不動産会社が価格設定をまちがえていることがあります。
当たり前の話ですが、相場よりも価格が高ければ不動産は売れ残ってしまいます。
東京の不動産は、地方の不動産と違って、需要がある為にどの地区でも売買が頻繁おこなわれています。
成約事例や成約価格、取引事例なども多いために、その物件の販売価格が高いか安いか判別がつきやすいです。
高いと判別された物件は、たとえ東京の物件でも売れ残ってしまうのです。
また、今後はますます過剰供給されている住宅があふれてくるために、東京23区の物件価格が下落していくことは十分に考えられます。
空き地や空き家が増えていく中で、適正な価格設定をして物件を売り出さないと売却もうまくいかないでしょう。
もしも、今売り出してる物件が3か月以上売れ残っている場合には、価格設定が高いかもしれません。
売れない時の改善ポイントをあわせて解説していますので、ご参考くださいませ。
1.不動産が売れない
都心部の不動産を除き、今後はどんどん売れづらくなっていくでしょう。
東京オリンピックが終わってしまったら、不動産価格が上昇していく好材料が今のところ無いからです。
生産緑地問題や少子化問題で、東京23区でも空き地空き家は増えていきます。
もしも、東京23区の不動産を売りに出していて、半年以上売れていないのであれば、価格改定の必要があります。
売れない原因として、下記のようなことが主に考えられます。
不動産が売れない原因
1、販売価格が高い
2、立地が悪い
3、土地の大きさや形状が悪い、道路付けが悪い
4、築年数が古い、建物の状態が悪い
5、心理的瑕疵がある
販売価格が高いという理由以外にも、土地や建物の状態が悪いということも考えられます。
内覧者や検討者から 『値段が高い』 と見られているかもしれません。
2~5番の項目に関して、結局その土地建物の状態に見合った価格になれば、問い合わせも増えるし、売れる可能性は高くなるでしょう。
1-1.販売価格が高すぎた
販売価格が高い場合には、案内が入らないどころか問い合わせの数も少なくなります。
1週間に1件問い合わせが無ければ、価格が適正であるかどうか見直しが必要です。
不動産会社が広告活動を行う際には、レインズやAthome、SUUMO、Home’s、楽待などの不動産ポータルサイトを利用します。
不動産ポータルサイトに掲載を行っているのであれば、アクセス数やダウンロード数(図面)がわかります。
どれぐらいのアクセスがあるのか、不動産会社に教えてもらうことも出来ます。
問い合わせの数やアクセスの数が少なければ、市場から販売価格が高いと判断されている証拠です。
販売価格が高すぎて、その物件に興味をもたれなければ、1年、2年と売れ残ってしまいます。
1-2.立地が悪い
駅からの距離が遠い、周辺環境が寂れている(個人商店や商店街がシャッター街となっている)、市街化調整区域に該当する等
上記のように立地が悪ければ、価格が低くても販売に苦戦することがあります。
そもそも、買いの需要が低いために、多少価格を低くしても問い合わせやアクセスが集まらないでしょう。
今後、空き地空き家の問題が増えていく中で、立地が悪い土地や家はますます売れづらくなっていきます。
当社にも、いらない土地の寄付や処分についての相談も増えています。
1-3.変形地や狭小地、道路付けが悪い土地(再建築不可)が原因
建ぺい率や容積率がオーバーしてる土地、10坪未満の小さすぎる土地、再建築不可の土地です。
上記のような土地は、買い手が銀行の住宅ローンを利用できない為に、不動産会社は売ることに苦戦します。
マンションでも道路付けに問題があったり容積率をオーバーしていて既存不適格であれば、住宅ローンを利用できません。
融資がつかないような物件は、周辺相場の7掛けから8掛けになってしまうことがあります。
1-4.築年数が古い、建物の状態が悪い
マンションや一戸建ては、旧耐震基準の年代の物件だと避けられやすいです。
また家が古すぎてリフォーム費用がかかる物件は敬遠されやすいです。
物件代金だけでな、リフォーム費用や税金等の買い手の金銭負担が増すからです。
築年数が一定年数経っている物件は、住宅ローン減税や税金の軽減制度を利用できなくなります。
建物の状態が悪ければ、土地代だけでなく、解体費用がどれぐらいかかるのか見積もっておきたいところです。
1-5.心理的瑕疵がある
価格がどんなに低くなっても、売れない物件があるとしたら心理的瑕疵のある物件です。
大半の方は心理的瑕疵や事故があった物件は購入を避けます。
心理的瑕疵の内容によりますが、事件があった物件や自殺・他殺等があった物件は個人の買い手がつきづらいです。
2.価格の見直しや販売方法を改善をする
物件が売れないのは、不動産会社に原因があるのか、販売価格に原因があるのか
現状を分析する必要があります。
また不動産会社の売却査定は金額を高く出す傾向にあります。
どこの不動産会社も専任媒介契約をとりたいために、高めの査定金額を出すことは多いのです。
査定金額を鵜呑みにせずに、周辺の相場を調べることが大切です。
2-1.売り出しの3か月が大事
売り出しの3か月間で買い手が見つかっているかどうか・・・これが一つの目安です。
売り出してから3か月経っても売れ残っているのならば、価格の見直しや販売方法を改善しなくてはいけません。
専任媒介契約の期間は3か月が一般的です。
価格改定をせずに不動産会社との専任媒介契約を更新した場合、そのまま半年から1年売れ残ってしまうかもしれません。
売り出しの3か月間で、不動産会社の販売活動が十分に行われているか確認してください。
・レインズやAthome、SUUMO、Home’s、楽待などに掲載されているか(広告活動)
・販売図面やリフォーム図面などがしっかりと準備されているか(販売活動)
・業務報告は行われているか(案内数や問い合わせの数の報告)
案内や問い合わせは十分にあるが、中々成約が決まらない場合には販売価格が高すぎるかもしれません。
2-2.価格改定する
価格改定をする前に、今一度慎重になって周辺相場を調べる必要があります。
周辺の売り出し中の物件だけを参考にするのは要注意です。
周辺物件が高く販売価格を設定しているのであれば、その価格を参考にしても売れづらくなるだけです。
過去の成約事例も見なくてはいけません。
また、値下げの幅が大きければ大きいほど、物件を探してる客から注目を得やすくなります。
値下げをすることで以前に案内した検討客が購入してくれることもあります。
不動産会社と相談して、適切なタイミングで価格改定をしましょう。
2-3.不動産会社を変更する、媒介契約を解除する
不動産会社が3か月間、広告活動や販売活動を適切に行っていなかったのであれば
媒介契約を解除して、他の不動産会社に売却依頼をしましょう。
また不動産会社は、売主に1週間に1回、もしくは2週間に1回は業務報告をしないといけません。
業務報告をしてこない不動産会社も良心的とはいえません。
売れ残ってしまっているならば、3か月で媒介契約を解除するタイミングといえます。
下記の記事もご参考くださいませ。
2-4.買取業者に依頼する
心理的瑕疵がある物件、道路付けが悪い物件、建物の状態が酷い物件は
どんなに価格を低くしても、個人の買い手がつかないことはあります。
難ありの土地や物件は、建売業者やリフォーム再販業者に買い取ってもらうことを検討しましょう。
但し、買取価格は周辺相場よりも低くなってしまうことがあります。
買取の条件(仲介手数料の有無や引き渡し日、瑕疵担保責任の有無、ローン解約の有無等)をしっかり確認した上で検討しましょう。
さいごに
価格改定に関しては、他の不動産会社にセカンドオピニオンとして相談してみることをお勧めします。
今まで問い合わせがなかった物件でも、値下げをしっかりと行うことで、一定数の問い合わせがくるものです。
値下げをせずに1年から2年売れ残るよりも、思い切った値下げも時には必要です。
また、難がある土地、立地が悪い土地となると、安くしなければ処分出来ないこともあります。