不動産会社のホームページや街の看板、折込広告などに“未公開物件!早い者勝ち!“などの誘い文句が載ってることがあります。
未公開物件の多くは、不動産会社が情報を公にしたくないために未公開としています。
気を付けていただきたいのが、未公開物件だからといって決してお得な物件ではないということです。
物件を探してる方にとって掘り出し物件となる可能性もあるので、条件に近ければ、まずは内覧をしてみることです。
こちらのページでは、未公開物件について解説させていただきます。物件探し中の方は、ぜひご参考くださいませ。
1.未公開物件とは
未公開物件や非公開物件の定義は曖昧となっていますが、
レインズに公開されていない物件、またはネット上に全く情報が出ていない物件として捉える方が多いです。
不動産業者によってはお客さんを1件でも多く呼び寄せるために誇大広告や嘘の誘い文句で、公開されてる物件にも関わらず未公開物件!早い者勝ち!と表記してることがあります。
それと、未公開物件だからといって相場より安い物件とは限りません。
公開物件でも相場より安い物件は沢山あります。未公開物件でも、相場より高い価格で買主不利の物件も多いのです。
1-1.賃貸物件
賃貸物件では未公開物件は少ないです。
ネット上に掲載されてる物件はどこの不動産会社でも紹介できるものです。
但し、不動産会社が自社物件を他社に客付けさせないことがあります。新築物件や人気物件では、よくあることです。
そのような物件は、レインズに掲載されていません。管理会社のHPもしくは管理会社の店舗でしか図面を見られない未公開物件となります。
客付けの不動産会社に仲介手数料を支払いたくないために、管理会社が自ら客付けをするということで賃貸物件を未公開としています。
1-2.売買物件
未公開物件だからといって買い手にとってお得な物件ということではございません。
売買物件の場合には、未公開物件はおおまかに5パターンに分類されます。
ⅰ レインズに公開されていない
ⅱ 販売会社が1社のみ
ⅲ 売主の事情による完全非公開
ⅳ まだ不動産会社が預かったばかり
ⅴ そもそも媒介契約を交わしていない
ⅰ レインズに公開されていない
レインズに公開されていない物件です。下記のようなケースが考えられます。
- 新築の建売物件で、レインズに公開していないケース
- 専任媒介契約でなく一般媒介契約等を交わしているケース
- 売主が不動産業者で、レインズに公開していないケース
レインズに公開せずとも、自社の営業マンで販売をすると考える不動産会社も多いです。
相場より高く売り出しをして、売れ残ってしまったらレインズに公開するという不動産会社もあります。
このようにレインズに公開されていない物件でも相場より高い可能性が十分に考えられます。
割安である可能性:低い
指値:どちらともいえない
ⅱ 販売会社が1社のみ
ⅰと重複しますが、売主が不動産業者や建売業者のケースです。
売主自ら販売を行っている、又は特定の会社が代理となって販売しています。
この場合には、レインズに公開せずに、オープンルームや近隣広告、自社サイト等を活用して宣伝をおこなっています。
“未公開物件“という誘い文句で積極的に宣伝して、折込チラシや三角コーンなどを物件周辺に設置してる業者も多いです。ここまでくると実質、未公開物件とは言えませんね。
割安である可能性:低い
指値:通りづらい
ⅲ 売主の事情による非公開
売主の事情により完全非公開として販売しているケースです。
孤独死や事件などがあった自己物件、再建築不可や違反建築物等の物件、ローンがつきにくい物件等では、よくあることです。
このような物件情報は業者間で回ることも多く、市場で売りに出されないことがあります。
相場に比べて非常に割安になってることもあります。
このような川上の物件情報は、不動産会社と親密な関係を築けていれば、担当者が紹介してくれることもあるでしょう。
割安である可能性:高い
指値:通りやすい
ⅳ まだ預かったばかり
不動産会社が売主から物件を預かったばかりで、レインズやネット上に公開してないケースです。
専任媒介契約を交わしてから7日以内にレインズ公開しないといけません。
その媒介契約を交わす前やレインズ公開前に、買取業者や顧客に紹介してくれるケースは多いです。
販売価格が決まっていなければ、指値が通りやすいこともあります。
割安である可能性:どちらともいえない
指値:どちらともいえない
ⅴ そもそも媒介契約を交わしていない
売主と不動産会社が媒介契約を交わしていないケースです。
まさに川上の情報です。
このような情報は買取業者や建売業者、優良顧客に回ってしまうものです。
割安である可能性:高い
指値:通りやすい
1-3.中古の未公開物件であれば、指値が通りやすい
売主個人の中古物件であれば、指値が通りやすいこともあります。
不動産会社としては、レインズに公開して片手取引になってしまうよりも、指値で両手取引になってくれたほうが都合が良いです。
売主を説得できる材料と価格があれば、指値を喜んで受けてくれるでしょう。
1-4.誇大広告も多い
不動産業界では、誇大広告やオトリ広告が多いです。
・売主の許可を取らずに、未公開物件として販売しているケース
中間省略登記を行う目的で、業者が売主に承諾を得ずに未公開で販売していることもあります。
そのような物件は、まだ決済前なのでネット公開やレインズ公開が出来ないだけです。
このように業者が中間省略登記狙いで販売してる物件の場合には、指値は通りやすいです。
・相場より高く売るために、未公開物件という誘い文言をつけているケース
不動産会社によっては、レインズ公開されている物件を勝手に未公開物件と偽って、販売していることもあります。
プレミアム感を演出するために未公開物件と偽ってることがあるのです。
1-5.不動産会社が未公開にする理由
不動産会社が売主の場合には、仲介手数料を支払いたくないのでレインズ登録しない、プレミアム感を演出するために未公開物件として売り出してることもあります。
不動産会社が仲介の場合には、両手報酬を得たいためにレインズ登録しないということもあるでしょう。これを囲い込みということもあります。
また、物件を公開してしまうと、フルローンの斡旋が難しくなると考える不動産会社もあります。
頻繁にフルローンの斡旋をしてる不動産会社によっては、物件を公開しないことがあります。
1-6.掘り出し物かもしれない未公開物件
下記のような物件は買い手にとって掘り出し物の可能性がある未公開物件といえます。
ⅲ まだ預かったばかりの物件でレインズ登録してない物件
ⅴ 媒介契約を交わしていない物件
また、不動産会社がまだ預かっていない物件も、買い手にとって得となる可能性があります。まだ預かっていない物件とは、売り手から査定依頼や売却相談を受けてる段階の物件ということです。
さいごに
掘り出し物となる未公開物件を得るためにも、不動産会社の優良顧客となっている必要があります。
不動産会社の担当者と良好な関係を築いていれば、担当者は売主へ価格の交渉・条件の交渉などを快くおこなってくれるでしょう。
優良顧客となるためには、現金決済出来るだけの資金力、また銀行から融資してもらえる融資力があることも大切です。
掘り出し物件等の情報は確実に買うことができる人にやってくるものだからです。ただの買いたい人に情報はやってきません。