1.オーナーチェンジ物件とは
オーナーチェンジ物件とは、賃借人が付いている収益物件(区分マンションやアパート、1棟建物、ビル等)を別のオーナーにそのまま売り渡す物件のことをいいます。
不動産ポータルサイトや収益物件のサイトでは、オーナーチェンジ物件を利回りで検索出来るようになっています。
オーナーチェンジ物件は賃借人との契約条件や敷金等はそのまま新しいオーナーに引き継ぐため、購入したオーナーは家賃収入を手っ取り早く得られるメリットがあります。
しかし、オーナーチェンジ物件は購入するオーナーにとって下記のようなデメリットもあります。
- 室内を確認できないために築年数が古い物件は瑕疵がある等の不安要素が大きくなる
- 賃借人の立ち退き費用が高くついてしまう
- 立地が悪ければ同じ賃貸借条件で賃借人をつけることは難しい
1-1.オーナーチェンジは高く売れる?
すでに賃借人がついていて家賃収入が確実に得られるオーナーチェンジ物件は、投資家や資産運用を考えてる方に高く売れる可能性があります。
ただし、空室が多く発生してる築古アパートやファミリーマンションは、相場より低くなってしまうことがあります。
また賃借人がついていても、下記ような物件は人気が下がります。
・旧耐震基準の物件
・立地が良くない
・賃貸条件が悪い、賃貸借契約書類が残っていない
・建物の状態が悪い、劣化箇所が多い(瑕疵がある可能性が高い)
オーナーチェンジ物件が高く売れるかどうかは利回りだけでなく、物件種別(区分マンション、アパート、1棟マンション、ビル)や建物の状態・立地の良し悪しによるでしょう。
1-2.利回りどれぐらいで売れる?
収益物件のサイトでは、5%、8%、10%、12%、15%で区切って収益物件の情報を見ることが出来ます。
人気がある立地であれば、利回り5%で売れることもありますし、
立地が悪く、築年数も古く、利回りが10%あっても売れない物件もあります。
築年数が古く空室が多く発生してるアパートは、表面利回りや想定利回りで高く売ることが難しく、土地値でしか売却できない可能性もあります。
また、銀行の融資が厳しい物件であれば、買いたい人があらわれても売買が成立しないことだってあります。銀行の融資情勢が悪くなることもあります。
表面利回り〇〇%で売れるだろうと安易に判断せずに、原価法・収益還元法・取引事例比較法などの3つの不動産評価の手法を用いて
どれぐらいで売れるかどうか判断をするべきでしょう。
原価法・・・再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法
収益還元法・・・その不動産から将来得られる収益を計算して、現在の価値を求める手法
取引事例比較法・・・多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法
1-3.空室のほうが高く売れることもある
賃借人がついているよりも、空室であるほうが高く売れることもあります。
いつ賃借人が退去するかわからないファミリーマンションは、売り出したとしても安くなってしまいます。
ファミリーマンションであれば、利回りで投資家に売るよりも、実需として居住用不動産を探してる方に売ったほうが高い金額がつきやすいです。
旧耐震基準のアパートや古い1棟マンションは想定利回りで売ることが難しく
全戸空室の状態であったほうが高く売れます。
1-4.利回りが高くても、売れない物件がある?
利回りが高くても、中々売れない物件があります。
それは賃借人がつきにくいような物件や、下記のように銀行融資がつかない物件です。
・旧耐震基準、築年数が古くなってる物件
・立地が悪いワンルームマンション、1棟アパート
・道路との接道に問題がある再建築不可物件
・土地の権利が所有権でなく、借地権の物件
・銀行融資がつかない物件(既存不適格物件、違反建築物等)
これらの物件は利回りが高くても、立地が良くなければ買い手も中々つかないでしょう。
2.オーナーチェンジ物件の売却を成功させるには
オーナーチェンジ物件の売却を成功させるためには、適正な価格設定と売り出す時期が大事です。
物件の所有期間によっては税率が低くなりますし、不動産市況が良ければ高い価格設定でもすぐに買い手がつくでしょう。
まずは不動産会社に査定をしてもらい、収益物件の売却を依頼しましょう
- 楽待、健美家、athome、HOME’Sなどの不動産サイトに掲載をしてもらう
- 不動産会社の顧客(投資家)に紹介してもらう
適切な価格設定をするだけでなく、所有期間が5年を超えていることは大事なことです。
2-1.楽待や健美家といった収益物件のサイトに掲載する
売り出す収益物件を不動産会社に査定をしてもらった上で、不動産会社と媒介契約を交わします。
専任媒介契約又は専属専任媒介契約を交わせば、その収益物件はレインズに登録されます。
収益物件の場合には、居住用不動産と違って、買い手は全国にいます。
居住用不動産の場合には、物件周辺に営業活動をしたほうが効率的です。例えば、折込広告や現地オープンルームを開催することです。
収益物件の場合には、インターネットの広告活動が大事です。athomeやHOME’S等の不動産サイト、楽待や健美家等の収益物件のサイトに掲載します。
不動産サイト、収益物件のサイト、レインズに収益物件を掲載すれば、適正な価格設定だとしたら問題なく売れるでしょう。
2-2.不動産投資家に売却する
収益物件の仲介・販売を積極的におこなっている不動産会社であれば、不動産投資家である顧客を多くかかえているものです。
何故ならば、収益物件を販売してる不動産会社には、不動産投資家から問い合わせや連絡が頻繁にくるからです。
不動産投資家の顧客を多く抱えている、収益物件の取り扱いが得意である不動産会社に依頼しましょう。
そのような不動産会社はインターネット広告だけでなく、不動産投資家に物件を紹介をしてくれるはずです。
2-3.適正な価格設定をおこなう
収益物件の場合には、買い手目線(投資家目線)で価格設定を行う必要があります。
収益物件の場合には、買い手側にとって利回りがどれぐらい確保できるのかが判断基準の一つとなります。
その他にも、価格設定に影響する条件として
- 物件種別
- 立地
- 価格
- 築年数
アパートや1棟建物となると、
- 土地の大きさや形状
- 接道状況、道路の種類
なども影響してきます。
2-4.所有期間は5年を超えているか
譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下であれば、短期譲渡所得税がかかってきます。5年を超えていれば長期譲渡所得税です。
もしも、購入してからまだ5年経っていなく譲渡益が発生する場合には、短期譲渡所得税が発生することになります。
(例)
課税短期譲渡所得金額が800万円の場合
(1) 所得税800万円×30%=240万円
(2) 復興特別所得税240万円×2.1%=5万400円
(3) 住民税800万円×9%=72万円
引用元:国税庁 短期譲渡所得の税額の計算
譲渡益の発生の見込みが大きければ、なるべく所有期間が5年を超えてから売却しましょう。
2-5.業者買取りを利用する
空室が多く発生しているアパートや旧耐震基準の収益物件であれば、
不動産業者による買取がお勧めです。
アパート用地やマンション用地として向いてる物件だとして、賃借人の立ち退きも必要になってきます。
そのような物件の場合は、個人の買い手も中々いないでしょう。
さいごに
「なぜ手放すのか」 購入希望者から気にされることも多いです。
オーナーチェンジ物件を売る場合には、買い手目線で利回りや価格を考えていきましょう。
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