『再建築不可物件を新築同様にリフォームできますか?』
再建築不可物件を購入検討してる方からよくあるご相談です。
大手のリフォーム業者から小さな工務店まで、どこでも再建築不可物件のリフォーム実績を持っているでしょう。東京には再建築不可の土地が数十万とあります。
リフォームに1000万円、2000万円かけるぐらいなら、建て替えしたほうが良いと言われる方もいますが、再建築不可物件は建て替えができません。
現状ではリフォームするしかないということです。
再建築不可物件のように建て替えできない物件があるからこそ、一戸建てのリフォームの需要があるのです。
建て替えはできないのに、本当に新築同様にリフォーム工事はできるの? 予算はどれぐらいかかる? 建物がボロボロの状態でもリフォームできる? というご不安になられてる方のために、
こちらのページでは、再建築不可物件が問題なくリフォームできるかどうか、お伝えさせていただきます。
1.再建築不可物件はリフォームできるのか?
再建築不可物件は建築確認を受けることができません。再建築不可物件は建築基準法の接道義務を満たしていないからです。(建築基準法第43条)
再建築不可物件では建築確認申請が必要になるリフォームは出来ません。建築確認を受けられないのだから、当り前のことですね。
建築確認申請が必要になるリフォームとは、増築や改築、その他大規模な修繕、大規模な模様替です。
1-1.増築・改築・再建築は出来ない
再建築不可物件は、増築・改築・再建築ができません。
増築とは、延べ床面積を増やすリフォーム工事のことです。2階建てを3階建てにしたり、敷地内に新たな構造物をつくったり、今の建物を建て増ししたりするケースがあります。
東京は防火地域もしくは準防火地域に指定されているため、10㎡未満の増築であっても、確認申請は必要です。
改築とは、大きさや間取り、構造は変えずに現在の建物を解体もしくは一部撤去して、建て直す又は一から造りなおすことです。再建築と同じ意味ですが、構造や大きさ、間取りは変わりません。
再建築とは、建物を解体して、新築するということです。
増築・改築・再建築はしょうがないとして、大規模な修繕や大規模な模様替えはできないのでしょうか?
大規模な修繕や大規模な模様替えでも、原則確認申請は必要になります。
1-2.どんなに古くてもフルリフォームできる?
東京で売買されている再建築不可物件は、築年数不詳の物件や築年数が40年以上経っているボロボロの物件がほとんどです。
増築や改築・再建築不可は出来なくてもしょうがないとして、大規模な修繕や模様替えが出来ないということは、再建築不可物件はリフォームできないということでしょうか?
今までまともに修繕されてこなかった築古物件は壁や柱、屋根、外壁、床など腐朽していたり、色々な箇所が大きく損傷していることはあります。
外壁や屋根はすべてやり直し、内装や設備は全部張り替えたい、綺麗にしたいのは当然といえるでしょう。
もし、そこまで損傷、劣化しているとなると、大規模な修繕や模様替えをおこなわなければいけません。増築をせずに、戸建てをフルリフォームすることは大規模な修繕や模様替えにあたります。
大規模な修繕とは、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2超)にわたり修繕することをいいます。 修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ材料、形状、寸法のものを用いて原状回復を図ることをいいます。
大規模な模様替えとは、模様替えをする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2 超)にわたり模様替えをすることをいいます。 模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造することをいいます。一般的に改修工事などで原状回復を目的とせずに性能の向上を図ることをいいます。
※国土交通省 ホームページ 引用
大規模な修繕や模様替え等に伴い建築確認申請をする場合は、建築基準関係規定に適合しているかどうかの審査を受ける必要があります。
但し、4号建築物(木造2階建て、延べ床面積500㎡以下の建築物)に関しては確認申請は受けなくて良いとされています。
再建築不可物件は、増築・改築・再建築は出来ないが、大規模な修繕や大規模な模様替えは出来るということです。
よって、どんなに古くてボロボロの再建築不可でも、フルリフォームが出来ます。当社の事例ですが、品川区の自治体から当社保有してる再建築不可物件を防火面で心配があるから大規模修繕してほしい、防火構造にしてほしいと通知がきたことがあります。その並びの再建築不可物件の所有者の方々にも、通知はきていたみたいです。
但し、実際にはどの物件でも簡単にフルリフォームや大規模修繕が出来るということではありません。
隣地の問題や足場の問題、私道の通行・掘削の問題をすべてクリアした上で、リフォームが問題なく出来るかどうか、不動産業者や建築業者に確認をしてから工事を依頼しましょう。
1-3.新築同様にすることはできるのか?
再建築不可物件でも新築同様にすることができます。
せっかくリフォームするならば、耐震性や耐火性を向上させる必要があります。
また、設備や建具、サッシなどを交換、壁・床・天井などの造作工事、外壁・屋根・下地材の交換工事をすることで、価格が安い建売住宅よりも、クオリティが高いリノベーション住宅にすることだって可能です。
築古物件でも、新築同様にリフォームする業者は多いです。
例えば、住友不動産のリフォーム『新築そっくりさん』は有名です。築古物件を新築そっくりにするというコンセプトです。
当社が仲介した再建築不可物件を購入されたお客様で東急ホームズで新築同様に大規模リフォームされた方、また当社提携の大工・工務店で柱残して床下や基礎からフルリフォームされ新築同様の住宅にされたお客様もいらっしゃいます。
耐震リフォームは問題ないか、新築同様にリフォームできるかどうか、再建築不可物件を購入前に当社に電話やメールでご相談いただくお客様が増えています。
お問い合わせ内容は個人情報やプライバシーの為、おおまか省いていますが、下記のようなご相談は毎日来ています。
・隣地は接道しておらず、再建築不可物件を考えている。
この一戸建てをリノベーションして、賃貸物件にしたい。
予算は500万円ぐらいで出来ないものかどうか
見積もりなどご相談させて頂きたいと希望している。
・廃墟同然の再建築不可物件ですが、リフォームや予算の問題などクリア出来るのかどうか検討中。
・築古×再建不可の狭小物件を購入予定。
ある程度の耐震、水回り、内外装希望。
・築年数不詳のアパート物件のリホーム費用を知りたい。基礎から壁・屋根 耐震補強工事・耐火造りにしたい。
囲繞地 準防火地域
・現在再建築不可の物件の購入を考え中。ただ、その物件が非常にボロボロの物件で柱なども歪んでいてとても現状で住める状態ではない。また基礎が良く神社にある様な石の上に柱が乗っている様な構造の基礎の為、どうにかできないかどうか。ただし非常に良い立地で土地、建物も非常に大きく、格安な為非常に魅力的である。
現状の状態を見ている段階だと、本当に再生出来るかどうかが心配です。この様な物件でもフルリノベーションをしてくれますか。
・再建築不可の木造アパートの購入を検討中。
・再建築不可の物件なため、土台や基礎がリフォーム可能な状態かご確認頂くことは可能かどうか?
また可能な場合は、リフォーム費用がどれ位かかるかのかどうか。
2.再建築不可物件のリフォームの注意点
再建築不可物件を新築同様にリフォームする際の注意点です。
- 高くつきやすい再建築不可物件のリフォーム予算
- 現況のまま購入する際のリスクとメリット
- リフォーム業者によって見積もりは全然違う
この3点を中心にお伝えさせていただきます。
新築同様にリフォームするということは、新築以上にコストがかかることもあります。
大規模な基礎の補強や耐震補強を含むフルリフォームであれば、新築相当費用に近くなるのは当然のことです。
新築のような外観、内装や設備といった表面だけリフォームであれば、相当のコストの節約をすることも可能です。
2-1.再建築不可物件のリフォーム予算は多額にかかる
再建築不可物件のほとんどは、旧耐震基準の物件で、築年数40年以上経っています。
築年数が50年から60年経ってる物件や築年数不詳の物件もあるでしょう。
再建築不可物件を購入する方が心配を持ってしまう点は、家の老朽化による耐震性の問題です。
そういった修繕工事や補強工事をするならば、基礎や柱の補強、屋根や外壁工事をしなくてはいけません。
問題は多額にかかる予算とリフォーム内容です。20年、30年と家の寿命を延ばすためにも、1000万円以上の予算が必要になってくることがあります。
フルリフォームをするならば既存の床や壁・天井の撤去をすることになるため、あわせて基礎や柱・壁などの構造箇所を耐震補強したほうが良いでしょう。
今まで修繕してこなかったボロボロの物件の場合は、目に見えない箇所のチェックが必要です。
もしも、なるべく安く予算を抑えたいのならば、リフォーム予算にあわせて優先順位を明確にすることです。
水回りの設備は◯◯のメーカーのA商品が安いからそれを取り付ける、
屋根はカバー工法ですませる、
外壁は下地が問題なさそうなのでそのままサイディング張りの工事をする等、
問題がはっきりしてるところは別として、箇所ごとに安くあげるコツはいくらでもあります。
2-2.現況のまま購入するということ
基本的に中古物件は平成築の物件や新耐震基準の物件を買うほうが安心です。
再建築不可物件は昭和56年以前の物件がほとんどで、現行の耐震基準を満たしていないことが多いです。
真っ先に不安になるのが、耐震強度です。建築基準法が改正される前に建てられた家は、現在の筋交いや壁の基準を満たしていないのです。
また建物全体が老朽化しているため、耐震面でも不安になるでしょう。
宅建業者が売主の場合には少なくとも2年間の瑕疵担保責任がつきますが、個人が売主の場合には、現況渡し、瑕疵担保免責となります。
今までリフォームされてこなかった築古物件を現況のまま購入するということは、2-1.の項でもあげてますが新築相当費用の予算がかかるかもしれないということです。
もし購入前に確認させてもらえるのであれば、屋根裏や床下を見せてもらいましょう。
ボロボロであることが多いですが、ここが修繕されていたり、綺麗な状態であれば、お買い得かもしれません。
また、敷地境界や越境の有無、境界線から隣地までの距離(足場がおけるか)のチェックが必要です。
もちろん、再建築不可物件はほぼ土地の値段、もしくは土地の値段よりも安く買える場合があるため、お買い得の場合があります。
2-3.リフォーム業者によって見積もりは全然違う
リフォーム業者によって、同じリフォーム内容なのに見積もりが全然違うことがあります。
また、見積書の明細が適当な業者であって、注意が必要な業者もいます。なるべく、そのようなリフォーム業者は避けたほうが良いです。
リフォーム業者が建設業の許可をもっていることは当たり前です。それと、しっかりとした図面や契約書、プラン、詳しい見積書を業者に提示してもらいましょう。
フルリフォームしてもらうときに3社、4社に見積もりをお願いすることは当たり前のことです。当社にも毎日、大工さんや職人さん、工務店からの営業のお電話をいただきます。
それだけ、新築やリフォーム、リノベーションのお仕事をされている工務店や大工さんの数は多いのです。
再建築不可物件は大手リフォーム業者もおこなっています。大手リフォーム業者のメリットとして再建築不可物件でも低金利のリフォームローンを紹介してもらえるという点です。
但し、担当者や下請けの工務店によって、仕事が雑だったりする、当たり外れもあるようです。
さいごに
再建築不可物件は建物全体が老朽化していて傷んでいます。柱、壁、基礎といった構造箇所は必ずリフォームの際にチェックしておきましょう。
新築同様にリフォームして、大掛かりな補強工事をすることで現行の耐震基準に適することは可能ですが、新築同様のリフォームをするならば新築同等費用の予算が、それ以上の予算がかかることは十分にありえます。
購入前にリフォーム予算の計画をたててから買いましょう。
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