Athomeやsuumo、楽待などの物件情報サイトで”再建築不可”という物件を見られることがあるでしょう。 他の物件に比べて 価格が2割から3割安く販売されてることが多く、価格が安いゆえに人気の物件もあります。
また、再建築不可物件を投資目的で購入する方だけでなく、相続で再建築不可物件を所有して賃貸に出してる方も多いです。ただし、再建築不可物件を収益を生む投資物件にする為にも、最低限の知識は必要です。 リフォームや修繕、維持管理の手間で手放す方も多いのです。
購入時はもちろん、将来的な出口戦略も考えておかないといけません。
不動産業者としての経験から、『再建築不可物件は投資に適しているのか?』に解説をしながら、注意点やノウハウもこちらのページでお伝えいたします。
1.値段が安すぎる再建築不可の物件
再建築不可物件の購入メリットといえば、価格が非常に安いということです。23区の物件でも、相場の5掛けで販売されてることがあります。
東京23区や都心では利回り10%で不動産を購入することは難しいです。千葉県や埼玉県などの他県では、アパートや区分マンションでも利回り10%を確保することは可能です。但し、築年数が古い物件や駅から遠い物件など、多少条件も悪くなります。
23区内の物件では、利回り5%も確保できれば良いといえるでしょう。
23区の物件で、駅近で好立地なのに、利回りが10%以上確保できるとしたら、再建築不可物件や借地権です。
但し、再建築不可物件は売主によって価格設定が適当だし、道路付けや建物の状態も物件次第で良くも悪くもあるため見極めが重要です。
1-1.相場価格の5割から7割で購入できる!?
再建築不可物件は下記の2点のデメリットがはっきりしているため、相場価格の5割から7割で購入できることが多いです。
銀行の住宅ローンが使えない
建て替えが出来ない
金融機関による担保評価が低くて、銀行での住宅ローンがつかえないのです。
また、担保評価が低いために金融機関への共同担保の提供としての利用が難しいので、不動産投資家も購入を避ける傾向があります。
一番のデメリットは、やはり建て替えが出来ないことです。火事や地震で建物が消滅したとしても、あらたに建築することは出来ません。
また、リフォームし続けないと建物を維持できないため、不動産やリフォームの知識がない人は維持管理が煩わしいと感じることもあるのです。維持するだけでも修繕の費用が高くかかることも十分に考えらえるので保有リスクも高いです。
再建築不可物件を購入するならば、建物の価値はほぼゼロと思って購入すべきでしょう。
投資目的で検討する場合には、価格が安くて利回りが10%以上確保できる場合にしましょう。ノンバンクでローンを組むこともできますが、金利も高くなることを考慮する必要があります。
1-2.注意すべき難ありのポイント
『家の価値を半減させる危ない土地』、『買ってはいけない不動産』などと言われることもある再建築不可の物件。
素人が安いからという理由だけで手を出してはいけません。
以下の点に関しては、しっかりと確認したほうが良いです。価格が安い反面、それなりの理由があるものです。
注意すべきポイント『私道』
道路は、公道と私道に分かれます。 私道とは簡単にいうと個人又は団体が所有する土地が道路として使われていることです。
不動産の世界では、私道をめぐるトラブルも多く、私道の持ち分や幅員・境界線などを確認しておき、持ち分が無い場合には通行掘削の覚書の有無なども確認しておく必要があります。
購入してから、私道所有者に通行料を請求されたり、工事車両の進入禁止を訴えられたりする可能性だってあるのです。
注意すべきポイント『ローンがつかえない』
銀行の住宅ローンが利用出来ない為、再建築不可物件の売買は成立しづらいのです。
購入時はなるべくキャッシュを多めに用意する必要があるのと、ノンバンクでローンを組む場合には高金利になってしまうことを知っておきましょう。
相場の5掛けから7掛けで購入できたとしても、金利負担が高くついてしまう場合には、結局損をすることになります。
注意すべきポイント『建物の構造箇所や躯体をチェックする』
再建築不可物件の多くは、築年数40年から50年は超えています。
相続案件だと、今までにしっかりとした修繕やリフォームがされてないことも多いです。駅から徒歩10分以内など立地が良ければ話は別ですが、建物の傾きや雨漏りの有無、シロアリの被害状況、その他に瑕疵があれば確認した上で、要検討すべきです。
再建築不可物件は、道路付けが悪いので、リフォーム費用が高くつく可能性もあります。工事車両が入らないからです。
購入前にリフォーム費用がどれぐらいかかるのか知っておくべきです。
1-2.指値が難しい現状
やみくもに指値を入れる投資家も多いことでしょう。
しかし、東京23区の再建築不可物件は中々指値が通りません。
すでに安い価格が織り込み済みであることも多いからです。
指値をするならば、購入の意思表示を示す
値引きできるかどうか、内覧時になんとなく不動産会社に質問する方もいるでしょうけど
購入意思をオーナーに伝えないと、値引きなどしてくれません。
しっかりと内覧した上で、〇〇万円だったら買う。条件もOK。
というような意思表示をしないと、オーナーへの交渉もしてくれないでしょう。
また、再建築不可物件の指値をするならば、ちゃんとリフォームの見積もりをとることです。
『古いから○○万円で買います。建物も傷んでますから。』なんていう
理由をつけて指値を入れたとしても、話は通らないでしょう。
『リフォーム業者に見積もりとったら、総額〇〇万円の見積もりで、それだと予算OVER。〇〇日までに契約もできるし、頭金も〇割あるから、値引きできませんか?』というような具体的な話をしたほうが、話も通りやすいです。
1-3.内覧時の注意点
1-1の項であげた注意すべきポイント『私道』や『建物の構造箇所や躯体』をよく確認することです。
今までの修繕歴を確認しても、所有者のほうで殆ど残っていることはないでしょう。とくに相続で所有している売主は把握してないものです。
投資目的で購入を検討するならば、どれぐらいの利回りを確保できるのか、またリフォーム費用がどれぐらいかかるのか、しっかりと把握することが大事です。
また築年数不詳でボロボロの物件であっても、価格が非常に安く23区でも1000万円以下で購入できることもあります。
個人投資家の中には、簡単に修繕をする程度で現状は問題ないと判断して、家賃6万円から7万円で貸し出して利回り20%を確保してる方も多いです。
1-4.リフォームしてから賃貸に出す
再建築不可物件を購入してから、賃貸に出す投資家の方も増えています。相場に比べて、かなり安く購入することで、その分リフォーム代にあてることができ、高利回りを実現することも可能だからです。
駅から近い物件や部屋数が多くとれる物件であれば、シェアハウスにして収益性を高めることも可能です。そうなると、一般的なアパートや戸建てよりも、高い利回りを確保できるでしょう。
・簡易リフォームやクリーニング程度ですませて、安い賃料で貸し出す
・フルリフォームやリノベーションを行って、ファミリー住宅として貸し出す
・部屋数を多く作って、シェアハウスや民泊として貸し出す
古い建物でもリフォーム次第では入居者に好まれることは多く、長く入居者が住んでくれれば安定した収益物件になるでしょう。
1-5.まれにラッキー!?隣の再建築可の土地を購入できた
隣接地の土地を活かすことで、再建築可能な土地になるかもしれません。
隣の土地又は一部の土地を購入して、建築基準法の接道義務を満たすという方法です。
購入時の2倍以上の価格で売れる可能性もあります。
下記のページもご参考くださいませ。
不動産業者がおすすめする再建築不可物件の価値を上昇させ売却する3つの方法
再建築不可物件は、リスクやデメリットも多いです。価格が安いからといって、素人が下手に手を出すとやけどをしちゃうこともあります。
しっかりと、物件の状態や道路付けなどを確認してから、安い価格であれば高利回りを実現できます。
基本的には再建築不可物件は業者や玄人向けの物件です。購入を検討する際には、どれぐらいの予算でリフォームが出来るかどうか、通行掘削の問題は無いかどうか、入居者付けは出来るかどうか、しっかりと計画をたててから購入しましょう。