相続人行方不明で家が売れない【代襲相続】

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家を売るためには、まず相続登記をしなければいけません。亡くなってる被相続人から買主へ直接所有権の移転登記を行うことは出来ないからです。

相続人が複数いる場合には、遺言書がなければ遺産分割協議が必要となります。

しかし、相続人の数が多くて全員の連絡先がわからない・一部の相続人の行方がわからないといった問題が発生することもあります。長年、相続登記を放棄していた物件によくあることです。

当社でも相続人の1人から売却の相談をいただいて、相続人数名と連絡がとれないと判明することがありました。そうなってしまうと、相続登記や遺産分割協議を行うことが出来ません。また、相続関係者が多くて、他の人にも相続権が発生してることをわかっていない相続人も多いです。

長年、相続登記をしていなかった場合には、早めに相続登記をしなければ家を売りたくても売ることが出来ません。被相続人が亡くなってから、すぐに相続登記をしないと大変な事態になることがあるのです。

そんな大変な事態にならないためにも、被相続人が亡くなった際には、土地建物の相続登記は早めにおこなっておくことが大切です。

家を売るために、数か月から数年かかってしまう。下手したら、一生売ることが出来ない。そんな事態にならないようにしましょう。


1.相続登記をすること

家の売却をしたく、相続登記をしようと思った。しかし、 相続人の連絡先がわからない、相続人の行方が不明である。

こんな事態になってしまう原因の多くは、土地建物の相続登記を長年放棄していたケースに多いです。

相続登記をしていなかったために、相続人が10人以上にも増えてしまった。なんてことになったら大変です。

相続登記をするためには、相続人全員から実印をもらわないといけません。相続人の多くが高齢者であれば、亡くなった方や入院してる方、認知症になってしまってる方もいる可能性があります。

そうなってしまっていたら、相続登記や所有権移転登記をしたくても難しくなります。

相続関係が複雑になってしまった例

上記の例では、相続人の数が11人になっています。被相続人である太郎が亡くなった時にすぐに相続登記をしていれば面倒なことにもならなかったでしょう。

相続登記をしていないと、年月が経つごとに相続人や関係者の数が増えてしまうのです。

相続登記の費用は、売買による登記に比べたら登録免許税も安くなります。登記申請なら自分で行うこともできるので、被相続人が亡くなったら早めに相続登記を行っておくべきでしょう。

親戚との関係が希薄で連絡先がわからないなんてことは、このご時世多いことです。さらに本来の相続人が死亡してしまえば、その相続の権利は妻や子供にうつることになります。

そうなってくると、ますます連絡がとりづらくなってしまいます。


1-1.相続人の1人と連絡がとれない

高齢社会になっていくことで、老老相続が増えています。

ますます他の相続人と連絡がとりづらくなってくる時代がやってくるでしょう。他の相続人が入院していたり、認知症を患っていたり、何十年と疎遠になっていたりするケースがあるからです。

老老相続とは

被相続人が80代から90代の高齢者で、相続人も60代から70代という高齢者であること。被相続人や相続人も高齢者であることをいいます。

相続人と連絡が取れなければ、勝手に不動産を売却できません。

まずは連絡がとれてる相続人達で協力し合って、連絡がとれない相続人を探し出すことが大切です。

相続人を探す方法の1つとして、戸籍謄本や戸籍の附票を取得して相続人の住所(住民票がある所在地)は特定する方法があります。

但し、相続人が海外にいたり、入院していたり、手紙や電話といった連絡手段にまったく応じない人だと、連絡がとれないということもありえます。

全員で連絡をとりあうことができれば、遺産分割協議書を作成して相続登記をおこなえます。

1-2.相続人が非協力的

相続トラブルでよくあるケースとして、不動産の売却の意見が相続人同士で一致しないことです。

兄弟間や家族間での立場の違いから、相続争いに発生してしまうことがあります。

相続不動産を高く売却する為には、相続人や共有者全員での協力が必要不可欠です。

しかしながら、他の相続人や共有者との連絡を取ることせずに、長年放置されてきたケースでは、意見が一致しないことも多いです。そうならないように、早めに他の相続人や共有者に売却の意思を確認すべきでしょう。

他の相続人が非協力的である場合には、何かしらの理由があるはずです。不動産会社に相談して解決しない場合には、状況によっては裁判での調停を検討することになります。

1-3.代襲相続の問題

相続人が亡くなっており、その相続人の子供が代襲相続することがありえます。

代襲相続とは本来相続するはずの者が相続できない時(被相続人よりも先に亡くなっている時)、その相続人に代わって子供が相続する制度のことをいいます。

前項で上述したように、これからの高齢社会では老老相続や代襲相続が今後増えてきます。相続人同士の関係が疎遠であればあるほどに、相続時に揉めやすくなります。

一番の解決策としては、相続人や関係者が多いのであれば、被相続人が生きてるうちに遺言書の作成や不動産の処分・売却をしておくべきなのです。

1-4.建物が未登記

建物が未登記のままで、相続人が10名以上いる場合には売却トラブルが起きやすいです。

建物が未登記のままだと、不動産を売ることは難しいです。建物の表題登記や相続登記をしたくても、相続人が多ければ難しいからです。

未登記のまま長年放置されている物件は東京にも沢山あります。他県とちがって、都税事務所では未登記家屋の所有者変更登録を簡単な手続きで行ってくれません。

表題登記や相続登記が難しくて、相続人の1人が建物を解体して更地にしてから売るケースは多いです。しかし、後から相続人の1人が『建物の解体や、土地の売却に同意してなかった』と言ってくる可能性もあります。

そういうトラブルを招かないためにも、被相続人が生きてるうちに表題登記を行っておくべきなのです。もしも、亡くなった親名義のままの未登記家屋がある場合には、早めに表題登記や相続登記を行っておきましょう。

1-5.相続問題を抱えた不動産を売るには

相続人同士が揉めずに、また相続人同士が協力し合って不動産を売るためには、司法書士や不動産会社の協力も必要となってきます。場合によっては、弁護士に相談すべきこともあります。


当社でも、依頼があった相続不動産を売却する為に、相続人10人以上に連絡をとって全員から署名捺印をいただいて、1年以上かかって売却まで無事にたどり着いたケースもあります。逆に、相続人の1人が納得いかずに、裁判の調停までいってしまったケースもあります。

相続問題を抱えていれば、売るまでに1年以上かかってしまうがあるのです。

相続が発生した場合には、大事な財産だからこそ早めに兄弟や親せき間で話し合って売るべきです。長年放置をしてしまうと、売るに売れなくなってしまいます。

遺言書が無い場合には、まずは遺産分割協議を行ってから早めに相続登記を行っておきましょう。

下記ページもご参照くださいませ。

相続した親の家を片付けて売却するまでの12のポイント

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