両親や身内が亡くなって、不動産を相続することになったけど、どうしたら良いのわからない。
このページでは、そんな方の為に不動産相続時に必要となる売却の手順や、高く売るためのポイント、相続不動産のトラブルについてご紹介いたします。
相続した不動産は長年放置してしまうと、売るに売れなくなってしまいます。
自分で住んだり、建て替えたり、賃貸物件として活用するのでなければ、年間の維持費や固定資産税を考えると早めに売却してしまうのも1つの方法です。
一定期間内に売却すれば、税金の特例も受けられます。
相続不動産の売却をご検討されてる方は、こちらのページをご参考にしていただけますと幸いです。
1.相続した不動産を売るには
ビルや区分マンションなどの収益物件であれば、相続人が新賃貸人として地位を引きつけば良いだけです。
ただ、実家などの居住用不動産を相続した場合には、家賃収入も入ってきません。
それに、リフォームや修繕をしないと、年々建物が傷んでいきます。また庭も荒れ放題で近隣から苦情がくることもあります。
建物が傷んでいくだけでなく、不法侵入や火災などトラブルにまきこまれる可能性もあるため、居住用不動産であっても維持管理をしないといけません。
家は長年放置することで価値がなくなってしまいます。
活用しないのであれば、居住用不動産は早々に売却してしまったほうが良いでしょう。
相続不動産を売却する場合には、相続登記をしてから不動産会社に売却の依頼をするのが一般的な流れです。
また、大事な実家や先祖代々の土地を売るのであれば、相場価格を知っておく必要があります。
その土地や家に思い入れがあったとしても、不動産会社や買い手は容赦なく値段交渉や指値を入れてくるでしょう。
買い手が買いたいと思う価格と、売り手が売りたいと思う価格は必ずしも一致しないものです。
1-1.高く売ることがゴール地点
一般的に売主は『相場の価格以上で売ろう』と考えます。
相場の価格よりも高く売るためには、販売戦略や売主努力が必要となってきます。
東京の土地ならまだしも、需要が無い地域だと相場というものがなく、売りたくても売れないことがあります。
住宅需要が無い田舎の土地だと、賃貸需要もありません。
需要が全く無ければ、二束三文の価格でなければ売れないのです。
売れない場合には、下記のような活用方法もご参考くださいませ。
住宅需要がある地域か、住宅需要が無い地域かどうかで、不動産会社による売り方や販売方法も変わってきます。
売主が出来る”売るための努力”として下記のようなことがあげられます。
- 信頼できる不動産会社や担当者を選ぶ
- 物件や近隣に関する情報をすべて担当者に伝えておく
- 不動産関係や境界関係の書類をまとめておく
- 室内の残置物などは全て処分しておく
- 定期的に物件のメンテナンスを行う
買主は安心して不動産を買いたいわけです。
土地や建物のリスクや悪い情報がわかれば、買主は安心して物件の購入申し込みを入れてくるでしょう。
買い手や不動産会社には、土地や物件の全ての情報を隠さずに伝えておきましょう。
また、室内に残置物が残っていると、狭く汚く見えてしまう、入居後のイメージがわかないなど、
せっかく売れる物件でも、売りづらくなってしまいます。
販売する前に室内のゴミは処分しておく、処分業者に依頼しておくこと、掃除をしておくことが大切です。
1-2.生前のうちに売却する
両親が生前のうちに実家を売却してしまう方も多いでしょう。
遠方に住んでいるのであれば空き家の維持管理は大変です。
それならば、高く売れる時に現金化しておいた方が良いでしょう。
居住用不動産は、築年数が古ければ古いほど、建物の価値もなくなってしまいます。
また相続人が多い場合には、不動産は分割が難しく、揉める原因になりやすいです。
現金と比べて、不動産は流動性が低く、単純に分割することも出来ないからです。
生前のうちに現金化しておくことで、相続トラブルを解消することになります。
1-3.相続した不動産売却の手順
親が亡くなって法定手続きをすませたら、遺言書の確認や相続財産の調査をしないといけません。
1番から8番までに1年以上かかることもあります。
- 遺言書の有無の確認
- 相続財産の調査
- 相続人が複数いる場合には、遺産分割協議をする。
- 不動産の相続登記を行う。
- 不動産会社に査定依頼をする。
- 不動産会社の選定
- 不動産の売却(3ヶ月から6ヶ月)
- 売買契約・決済
実家の片づけをすることは大変です。
大事な不動産関係の書類等が残っている可能性もあるため、処分業者に任せずに確認しておいたほうが良いでしょう。
荷物等の量が多ければ、家族皆で協力して片付けをする必要があります。
上述の1番から8番まで以外にも、室内の片付けや処分、隣接地との境界確定の手続きが必要となる場合もあります。
相続不動産を売却できるまでに2年かかってしまったというケースもざらにありますので、
売却をするならば早めに動いておいたほうが良いでしょう。
1-4.相続登記する前に売買契約は可能?
相続登記前に売買契約をすることも可能です。
重要なことは決済・引渡し前までに相続登記が完了できるかどうかです。
法定相続人が複数いる場合には、先に相続登記をすませてから、売買契約をしたほうが良いでしょう。
遺産分割協議書を作成されてる場合には、引渡し前までに相続登記をしておけば問題ないです。
おなじく、法定相続人が1人の場合でも、引き渡し前までに相続登記をしておけば問題ないです。
もしも、法定相続人が複数いて、先に売買契約を交わしたい場合には相続人全員の同意が必要です。
遺産分割協議前や相続登記前に、売買契約を交わしたい場合には、①相続人全員が署名捺印する②相続人のうちの1人が代表者となり他の相続人が代表者に不動産の売却の契約を委任する、といった2つの方法で可能となります。
1-5.遺産分割協議をする
遺産分割協議とは、遺言がない場合に、法定相続を基準に、相続人間で遺産の分配について話し合いをすることです。
相続人が1人の場合には、すべての遺産を単独相続することになります。遺産分割協議の必要もないです。
相続人が複数いて遺言書がない場合には、相続人全員で遺産分割協議をしなくてはいけません。
遺産分割協議がまとまった場合には、遺産分割協議書を作成します。相続人全員で署名捺印(実印)したら完了です。
遺産分割協議書がないと、不動産の相続登記や預金の名義変更、相続税の申告等の相続手続きが行えません。
遺産分割協議書を作成しておけば、遺産の内容や分配方法も明らかとなりますし
後の相続トラブルを防止することにもなります。
1-6.相続不動産の売却でよくあるトラブル
相続不動産の売却トラブルとしてよく挙げられるトラブルは、遺産分割協議がまとまらないことです。
現金と違って、相続不動産は分配が難しく、兄弟間や親せき間で揉めてしまうことがあります。
兄弟でもそれぞれ家族が出来てしまうと立場の違いもあり、争族の争いに発展してしまうことがあります。
揉めやすいケースとして下記の通りです。
- 誰が不動産を取得するのかで揉めてしまう
- 不動産の代償金額で揉めてしまう
- 不動産の売却方法や金額で揉めてしまう
長男が実家で同居してた場合に相続不動産の売却トラブルはよく起きてしまいます。
次男や長女が不動産を売却して現金で分割を希望してたとしても、長男は住み続けたいと思うかもしれません。
しかし長男に代償分割するだけの資金がない場合には、代償金額で揉めてしまうことになります。
不動産を売却して分割するにしても、その売却金額で揉めてしまうこともあるのです。
揉めないようにするためには、やはり不動産を相場以上の金額で売ることが大切です。
相続人全員が納得する不動産の売却であるならば、円満解決につながるでしょう。