相続した土地がいくらで売れるのか。売却価格によっては、自宅の買換え等の計画をたてられることもあるでしょう。
相続人が多ければ、遺産分割協議で誰が土地を取得するのか決めなくてはいけません。
法定相続分を基準に土地を共有で相続することになれば、将来土地を売る際に他の相続人の許可が必要となります。
相続が発生するたびに、所有者が細分化されることもあります。
現金や有価証券等の遺産とちがって、土地や不動産は単独相続にしておいたほうが将来的に売りやすくなります。
相続してから土地を売ることが決まっている場合には、どれぐらいで売れるのか、ある程度は自分で調べておくことです。
東京23区の土地であれば、土地の取引事例は多く、下記のようなサイトで個人の方でも土地の相場を調べやすいです。
不動産ポータルサイトの掲載情報
athome
suumo
LIFULL HOME’S
国土交通省のサイトの地価公示・取引事例
標準地・基準地検索システム
土地総合情報システム
その他にも、土地価格のサイトは沢山あります。
土地の価格は、その土地の特性(間口、奥行、面積、形状、道路付け、日照、風向)や周辺環境(立地、人口、駅距離、景観、生活環境、施設の有無、交通施設、規制の有無)、売主買主の特別な事情などの要因で変わってきます。まったく同じ土地は存在しません。
買い手が土地を欲しがっている特別な事情等があって、相場よりも高く売れる可能性もあります。特別な事情で買ってくれる人とは、隣接地を買いたいという隣人や、その地区で土地を探し続けていた人、また大きな建物を建てる為に事業地として買ってくれる人などが考えられます。
需要が少なく買い手がなかなか現れない地域であれば、結果的に相場よりも安く売ってしまうこともあるでしょう。相続した人の中には、相続税が発生するので早めに土地を売却したいという特別な事情がある方もいらっしゃいます。
土地の価格については、下記ページもご参考くださいませ。
家や土地を売るときの価格基準【公示地価/基準地価/路線価/評価額】
1.相続した土地を高く売るには
相続人が一人ならば遺産分割協議の必要は無いですが、
相続人が複数いて遺言が無い場合には、遺産分割協議をしなくてはいけません。
相続税を少なくするための対策や二次相続を見越して、誰が土地を取得するのか遺産分割協議で決める必要があります。
土地の名義変更をすませたら、土地をいつでも売ることが出来ます。
30坪から40坪位の住宅用地であれば、不動産会社に売却依頼をして売りに出すことが一般的です。
100坪以上の大きな土地は、マンション用地や建売用地、ロードサイドの土地、事業に向いていることが多く
建売業者やマンションデペロッパー、不動産業者が買い取ってくれるケースがあります。個人の方が大きな土地を買うケースは少ないでしょう。
また、相続した土地を高く売る為にも、信頼できる不動産会社に依頼しないといけません。
1-1.遺産分割協議や相続手続きを行う
相続を知った時から3か月以内に相続の手続き【単純承認・限定承認・相続放棄】を行わなくてはいけません。
マイナスの財産が多かったり、いらない土地や建物を相続した場合には、相続放棄することもあるでしょう。
不動産を相続放棄する場合には、費用や手間もかかります。
簡単に所有権放棄できると思って、相続放棄の手続きを行ってしまい、後悔する方も多いので気を付けましょう。
何故ならば、土地を相続放棄しても、財産管理人が選任されるまでは自分たちで土地を管理しなくてはいけません。
財産管理人に対する報酬も負担しなくてはいけません。
相続人で話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成して土地の相続登記をすることになります。
法定相続でなく、単独で相続登記をする場合には、遺産分割協議書が必要となります。
相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。
相続税の申告期限内に遺産分割協議がまとまっていないと、小規模宅地等の特例が利用できなくなることもあります。
1-2.名義変更や確定測量をおこなう
法務局に相続登記を申請してから、1週間から2週間で土地の名義変更が完了となります。
名義変更が完了したならば、不動産会社に土地の査定依頼をして、土地の価格を知りましょう。
それから信頼できそう不動産会社が見つかれば、専任売価契約または専属専任媒介契約を交わすことが一般的です。
隣接地との境界があいまいである場合には、早めに境界確定を行っておいたほうが良いでしょう。
確定測量をするためにも隣接地との立会いが必要で、境界確定できるまでに数か月から半年と長期化するケースもあります。
長期化する原因として、隣人が協力的でない、隣人が施設に入居している、海外に転勤中などが考えられます。
せっかく買い手がついたのに、境界確定が出来ずに売買契約が白紙になってしまったということもあります。
1-3.立地が重要
東京23区では立地が良ければ、どんな土地でも売れてしまいます。
整形地でなくても、人気が低い変形地や不整形地、狭小地でも売れるのです。
土地が高く売れるうえで一番重要なのは立地条件です。
立地条件が良ければ、売り物が中々出ない地区だと相場よりも高く売れてしまいます。
1-4.郊外の土地は売りづらい
郊外の土地や市街化調整区域の土地は、東京23区の土地に比べたらニーズが低いです。
二束三文の価格でも売買が成立しない地区もあり、郊外の空き家空き地問題は深刻になっています。
さらに郊外の土地で悪条件が重なると、どんなに価格が安くても買い手があらわれないこともあります。
・駅から遠い
・階段沿いや間口狭小で、車両進入が出来ない土地
・がけ地や傾斜地等
・既存不適格の擁壁がある土地
当社には買い手があらわれないので、1年から2年経っても、売れずに所有権を放棄したいという相談も多いです。
大きな土地であれば、年間の固定資産税が馬鹿にならないでしょう。5年、10年と払い続けるだけでも大きな損失となります。
所有権を放棄したい方は自治体が土地の寄付を受けつけてくれるかどうか、確認をしてみることです。現状として、自治体が土地の寄付を受けつけてくれるケースは少ないです。
1-5.大きな土地は業者に売る
大きな土地を買ってくれるのは、建売業者やマンションデペロッパー、不動産業者となります。
それに、個人の方が大きな土地を分筆して数区画に分けて、反復して不特定多数に売却することは宅建業法違反となります。
100坪以上あるような土地は業者に買い取ってもらったほうが早いでしょう。
1-6.売りづらい土地はどんな土地?
郊外の土地以外にも売りづらい土地として、下記のような土地があげられます。
これらの土地は高く売ることは難しいでしょう。
・車両侵入できない私道沿いの土地
・私道持ち分が無い土地
・立地条件が悪い土地(駅から遠い、市街地から離れている、周辺環境が悪い)
・狭小地
さいごに
相続した土地の売却でお悩みの方は当社までお気軽にご相談くださいませ。
変形地・狭小地・私道・再建築不可(袋地や間口狭小地)なども対応しています。