1.屋根のリフォーム費用はどれぐらいかかるのか
屋根は床下や外壁と同じぐらいに建物にとって大事な箇所です。
特に旧耐震基準の建物の場合には屋根が重いことがあり、軽量材の屋根に葺き替え工事することで耐震性をあげることができます。
しっかりと構造計算をされた木造住宅であれば瓦屋根でも問題ございません。
屋根のリフォーム工事は屋根の面積、形状や勾配、リフォーム内容(葺き替え、カバー工法)、屋根の材料によって費用が異なります。
また、足場をかけることが多い為、外壁工事のときにまとめてリフォーム工事してしまったほうが良いです。
足場代は10万円から15万円かかることが一般的です。
1−1.耐震性が低い瓦屋根を葺き替え工事する場合
瓦とは一般的に粘土を混練、成形、焼成した屋根材のことです。
古い木造住宅の多くは瓦屋根が多かったのです。
日本瓦の重さは坪当たり165kgあり、(30坪の木造住宅)屋根の面積が30坪ある場合には
単純に屋根の総重量4950kgが2階の小屋裏、天井や柱、梁から1階の柱、梁、床下、土台、基礎へと負荷がかかっています。
耐震性を考慮すると軽量材の屋根に葺き替え工事する人は増えています。
瓦屋根を葺き替え工事する場合には、下記の費用がかかってきます。
瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根(efルーフ)に葺き替え工事した場合 坪当たり50,000円から70,000円かかってきます。
※足場代や既存瓦撤去代、あらたに野地板貼りや防水紙貼り、新しい屋根材を施行する総額料金です。
※屋根材によって金額が変わってきます。
1−2.屋根塗替えする場合
スレート屋根や金属屋根の場合には塗装塗り替えを定期的に行う必要があります。
経年劣化によって塗料や塗膜がはがれてきます。さびや腐食の原因につながります。
さびや劣化が目立つようになってくれば20年から25年が葺き替え工事の目安です。
屋根の塗替え費用は坪当たり7,000円から8,000円します。
別途足場代がかかりますので、屋根の塗替え工事の場合には外壁塗装とあわせて行うのが一般的です。
1−3.カバー工法
既存の屋根材の上にガルバリウム鋼板の屋根材を被せる工法は多いです。スレート屋根等の上に簡単に施工できるため、
葺き替え工事に比べて割安で工期も数日で短く施工できます。
屋根の下地が傷んでいる場合や雨漏りなどの劣化がみられる場合には葺き替え工事をおすすめです。
1−4.葺き替え工事
屋根は築年数25年から30年が経過したら、雨漏りが生じる前に葺き替えなどを検討したほうが良いです。
屋根に不具合があると建物全体に影響するため、定期的なメンテナンスやはやい処置が必要なのです。
屋根のリフォームのサインとして
瓦のずれ、瓦の破損・欠損、屋根の雑草、屋根の枯葉、塗装のはがれ・サビ、雨樋の欠損
2.屋根のリフォームで気を付ける事
2−1.瓦屋根の耐震リフォーム
従来の瓦屋根の工法だと、地震により被害が大きくなる場合があります。
平成13年に全日本瓦工事業連盟では瓦のガイドライン工法を作成されました。従来の工法よりも耐震性・耐風性が向上した施工方法です。
専用の棟金具や木材を用いて、瓦屋根を施行していきます。
平成13年以前の瓦屋根の場合には葺き直した方が良いかもしれません。
2−2.瓦屋根の解体工事に気を付ける事
瓦の解体、降ろし作業は手作業です。
一度は瓦屋根の撤去してる風景を見たことある人はいらっしゃるのではないでしょうか?
風の強い時には瓦屋根の解体、降ろし作業は行いません。
また瓦を地面に投げつけながら落としたりする業者や、ほこりや破片が飛ぶことの認識の甘さがある職人(業者)もいますので
現場監督は非常に大事です。
2−3.屋根に設置されたままの機器
数十年前に流行した太陽熱温水器(ソーラーシステム)が設置されたままの自宅は多いです。
足場を組んで外壁や屋根の工事を行う際に撤去費用として数万円払って行いましょう。
取り外すのが面倒だからと設置されたままのお家も多いですが、そのままにしていると瓦屋根の浮きやずれの原因にもなります。
その結果、雨漏りなどの被害にあってしまいます。
また太陽熱温水器は数百キロと重量があるため、耐震性等を考えると撤去しておきたいところです。
2−4.訪問販売業者による屋根のリフォーム契約は慎重になること
悪質訪問販売のリフォーム業者による被害は年々増加しています。
屋根のリフォームに関しても詐欺のような手口が増えています。
瓦屋根がずれている、劣化が酷いと不安を煽って即日契約を迫ってくるケースがあるようです。
事例 突然訪問した業者と2週間で総額約600万円のリフォーム工事を次々と契約
70歳代の夫婦と90歳代の母との3人暮らしである。
業者が突然来訪し、「この辺り一帯を見て回っている。お宅の屋根の漆くいが剥がれているし、瓦もずれているので、屋根を見せて欲しい」と言われた。屋根に登った業者から「登ってきて」と言われたが、梯子が急で登れなかった。屋根から降りてきた業者から漆くいのかけらを見せられ、「このままだと雨水が入り込み、屋根が腐ってしまう。梅雨入り前に早く修理をした方が良い」と説明され、雨漏りで家が腐ってしまっては大変と思い、屋根工事(115万円)の契約をした。後日(屋根工事の初日)、屋根工事をしていた業者から「漆くい工事の出来具合を確認したいので、屋根裏(小屋裏)を見せて欲しい」と言われた。業者が屋根裏に入ったところ、「瓦の重みで屋根が歪んでいる」と説明された。また、屋根裏の写真を見せられ、「屋根裏にカビが発生している。カビの原因は床下ではないか」と言われ、今度は業者は床下に潜った。
その後、業者からビデオを見せられながら「床下の土壌の湿気が原因で、床下の柱や断熱材にカビが多発しており真っ黒である。このカビが柱や断熱材を伝わって屋根裏にまで発生している。このままだとカビで柱が腐食してしまう」、「屋根の重みを支えるには屋根裏の補強をした方が良い」と説明され、カビで家が腐食し潰れてしまうのではないかと不安になり、床下の換気・補強工事(210万円)と屋根裏の換気・補強工事(160万円)の契約をした。
その後日(床下工事の2日目)、床下工事の最中に、業者から「浴室の下にある木材が湿っていて、傷みはじめている。タイルの間から浸水して腐食しているので、タイルを張り替えた方が良い」と言われ、今度は浴室工事(100万円)の契約をした。
その数日後、別居している家族が来訪した際、工事について話したところ「やめたほうがいい」と言われた。そもそも工事をする必要があったのか知りたい。 (契約当事者:70歳代 男性 無職)
出典:国民生活センター ホームページより
上記のようなことがおこらないように周囲のサポートは大切です。
近隣の方や知人の方にリフォームの相談、また2社から3社のリフォーム業者に見積もりをお願いすることで費用や屋根の状態を正確に知ることができるのです。
すべての訪問販売業者が悪質ではございませんが、すぐに契約せずに他のリフォーム業者にも見てもらう必要があります。
2−5.助成金
リフォーム助成金はバリアフリーや耐震改修を目的とした助成金が多いです。
自治体によっては屋根のリフォーム助成金を活用できる場合があります。
世田谷区だと下記のような住宅リフォームがありますので屋根の改修工事で下記助成金を活用できます。
世田谷区
・断熱材を使用した外壁、屋根、天井または床の改修工事
・屋根塗装による断熱改修
(1)上記対象工事における(消費税を除く)
経費の10パーセント(千円未満の端数切捨て、上限額20万円)
(2)区の耐震改修工事の助成と併せて行うとき
経費の20パーセント(千円未満の端数切捨て、上限額40万円)
自治体によってリフォーム助成金の内容は異なりますので、一度確認しておきましょう。
まとめ
屋根のリフォーム工事をする際には耐震性や断熱性の向上をはかったリフォームをしませんか。
築年数が30年から40年以上たってる場合には下地材が劣化してますので、葺き替え工事をお勧めします。