建物倒壊の原因であるシロアリ対策と予防メンテナンス

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1.シロアリとは

木造住宅がシロアリによって被害を受けているケースは多いです。

特にシロアリ対策、防蟻対策をまったくやってない家、換気・湿気対策ができてない家、築年数が古くなって何も対策を行ってこなかった家に被害が目立ちます。

木造住宅などにシロアリが巣食うことは多く、シロアリは木材やコンクリート・プラスちっちなども食べてしまう虫として有名です。

特に木材が湿った状態になると、シロアリにとって天国のような状態になります。その箇所をシロアリが巣食ってしまい、腐朽菌が繁栄してしまうこともあるのです。

名前にはアリがついてますが、実際にはクロアリとは全く異なりゴキブリ類の昆虫なのです。

 

1−1.シロアリの恐ろしさ

一戸建ては柱や梁、壁、基礎、土台といった構造上主要な箇所、大事な箇所があります。シロアリはそのような大事な箇所を巣食ってしまいます。

シロアリによる被害が土台や柱など構造上主要な箇所に及ぶ場合は、大きな地震時における倒壊の原因となります。

 

阪神大震災の時にも、シロアリもしくは腐朽菌が認められた建物の倒壊率は80%もあったそうです。

 

主に日本で被害を及ぼすシロアリはヤマトシロアリとイエシロアリだといわれています。

ヤマトシロアリの特性

  • 湿った木材を生息の地とし、4月から6月にかけて活発化する
  • 自ら水を運ぶことはしないが、ジメジメした場所を好む

イエシロアリの特性

  • ヤマトシロアリに比べて、さらに恐ろしいと評判のイエシロアリ
  • 建物の内部や木材に大きなコロニーをつくる、百万匹のコロニーをつくることもある。
  • 乾燥した木材に自ら水を運んで湿らせて巣食うことがある
  • 被害は建物全体に及んでいることがある

 

1−2.腐朽菌

腐朽菌は、木材に含まれるヘミセルロース・リグニン・セルロースといった部分を分解してしまいます。

腐朽菌には白色腐朽菌、褐色腐朽菌といった種類があります。主に白色腐朽菌による被害が大きいです。

腐朽菌は下記の条件が満たされると、繁殖してしまいます。

  • 最適な温度
  • 湿度
  • 酸素
  • 栄養分

家の中ですと、床下や水まわり等の湿気が多い場所、雨漏りしてる箇所、シロアリの被害に合っている箇所はボロボロになっている可能性もあり、点検が必要です。

湿気がある箇所はシロアリだけでなく、腐朽菌まで繁殖してしまう可能性が高いのです。

 

1−3.シロアリの被害にあった場合

まずは被害があるかどうか確認を早めにしておきたいところです。被害が甚大に広がっていると、リフォーム費用がかなりかかる、手遅れになってしまう場合があります。

 

下記の様な兆候が見られた場合にははやく床下や建物全体を調査・確認しましょう。

1、白アリや羽アリを見かけた。
2、建物周辺などに木屑が落ちていたり、白アリの被害が見受けられる。
3、基礎コンクリートなどの表面に、蟻道が見受けられる

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シロアリの被害を確認した際には、すぐに業者を手配することです。

劣化の原因が老朽化によるものなのか、シロアリによるものか。後者であれば急いで、対処する必要があるのです。

 

薬剤処理等で対応して、一部リフォーム工事で安価で済ませられる場合があるからです。

いずれにしても構造上主要な箇所まで被害が及ばないようにしたいところです。

 

売却を検討してる方は、下記の記事もご参照くださいませ。

シロアリ、雨漏りしてるボロボロの家を売る為に

 

 

2.シロアリ対策

シロアリの被害、シロアリの巣を発見した場合には薬剤等で早急に駆除を依頼しましょう。

またシロアリが狙いやすい箇所は多数あるので、建物全体を点検する必要もあります。

  • 床下
  • 水まわりの箇所
  • 雨漏りをしてる、してた箇所
  • 外回りや屋根裏等
  • 屋外のウッドデッキや室外機周辺等
  • 水が漏れてるような箇所

 

2−1.薬剤散布によるもの

木部に吹き付ける木部処理剤、土壌に処理をする土壌処理剤があります。

基本的に業者がシロアリ駆除を行う場合にはどちらも併用して行います。

 

まずは業者に点検してもらい、被害に合ってる箇所を直接教えてもらってから、駆除の方法を決めるのが一番です。

 

自分でチェックできるのであれば、上記に挙げたシロアリが狙いやすい箇所をチェックしてみましょう。

古家などでは畳をどかすことで床下に通じてることや、キッチンの床下収納がそのまま床下に通じてることがあります。

湿気や通風、腐朽箇所、シロアリの有無を確認しておきましょう。

 

シロアリは発見されなくとも、柱や土台に問題があり補修・補強したほうが良い箇所が出てくるかもしれません。

 

2−2.木材や設備の交換、補強

シロアリに食われている柱や壁は剥がして交換してしまいます。薬剤処理した木材もしくは耐久性が高い国産木材に交換します。

水回りや玄関周りなど設備のリフォーム時にあわせてシロアリ対策を行っておきましょう。

 

リフォーム業者の中にはシロアリ対策に詳しくない業者もいる場合もある為、水回り箇所ではデザインや価格優先をして木材を決めない事です。

 

外にウッドデッキやラティスを設置する際にも、木部と地面が接しているとシロアリの被害に合いやすいです。

 

 

3.予防・メンテナンス

中古物件や古家だけでなく、新築から5年経った建物も薬剤効果が切れますので、シロアリ駆除のメンテナンスもしくは定期的な薬剤散布をしておいたほうが良いでしょう。

古家の場合には床下や水回り箇所などシロアリが発生しやすい箇所の換気対策やリフォーム工事はしておくべきです。一番の原因となりやすい湿気対策が最善でしょう。

 

3−1.柱や外壁の防蟻対策

築年数が30年から40年たってる古家で、安い輸入木材などつかわれていた一戸建てはシロアリや腐朽菌の被害に合ってる可能性が高くなります。
国産の木材などは被害が少ないのです。

 

外壁に関しては通気構造とすることが大切です。木材は乾燥しているほど強度も強く、また腐ることもなく何十年と長持ちします。
木材が湿ってくると強度も低くなり、腐り始め、寿命も短くなりますます。
外壁がサイディングの場合には、メーカーは外壁通気工法を標準工法としています。

 

また軸組が雨などに接触しないように外壁と軸組との空間を設けること、外壁塗装や劣化した部位の補修を行っておくことは重要です。

シロアリ

 

外壁から雨漏りして、湿気や腐朽をもたらしシロアリを招きやすくなります。

雨漏りの跡がないか防水が劣化してないか、コンクリのひび割れや浮きが出てないかチェックします。

柱などには薬剤処理をした集成材や下記一覧の耐久性区分のあるD1をつかうことです。

  • ヒノキ
  • ヒバ
  • スギ
  • カラマツ
  • ベイヒ
  • ベイスギ
  • ベイヒバ
  • ベイマツ
  • ダフリカカラマツ
  • サイプレスパイン

 

3−2.土台や地盤の防蟻対策

土台には薬剤処理をしっかり行った集成材、または耐久性区分D1をつかうこと。

またホームセンター等で安く売ってるようなホワイトウッドなどの集成材はシロアリの食害に弱いです。

 

何より床下の換気システム、対策を施すのが一番です。

築年30年から40年たってる古家では換気システムが導入されていない、換気対策されてない一戸建てが多いからです。

 

3−3.水まわりの防蟻対策

水まわりのリフォーム工事を行う際には防蟻対策をしておくことです。

特に古家などの在来工法のバスからユニットバスにリフォーム工事をする際には既存の物(タイルやモルタル等)や下地、土などを解体・撤去してもらい、施工する必要があります。

床下の換気対策も行っておきます。

 

まとめ

業者によるシロアリ駆除だと平均して20坪規模の一戸建てであれば、10万円から15万円が一般的です。

薬剤散布であれば5年間が効果期限となります。

シロアリの被害に合ってる箇所はリフォーム工事をしておきましょう。あわせて換気対策を行っておくことでシロアリの被害に合いづらくなります。

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