土地を相続する際の流れと注意点

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遺産相続をするとき、遺産の中に土地が含まれていることがよくあります。

その場合、どのような流れで土地の相続手続きを進めていけば良いのか、教えてほしいというご相談が多いです。

 

登記名義の書き換えをしなければなりませんし、誰が相続するのか決まっていなければ遺産分割協議をして、相続する人や方法を決めないといけません。

土地の価値が高いケースなどでは、相続税が発生することもあります。

そこで今回は、土地を相続する際の全体の流れと注意点について解説します。

 

1.土地相続の流れ

土地を相続する場合、どのような流れになるのでしょうか?

土地の相続人が1人のケースであればさほど大きな問題は起こりませんが、相続する土地がいくつかあったり、相続人が複数いたりすると、どのようにして具体的に土地の相続手続をすすめればよいのか迷う方も多いでしょう。

 

また、誰が相続するかが決まっても、具体的にどういった手続きをすれば良いのかわからないこともあります。

土地といえば相続登記をしなければいけませんが、実際に名義を被相続人のまま名義書き換えを行っていない方も多いです。

 

そこで、以下では、まずは押さえておきたい土地相続の流れを見てみましょう。

 

1-1.まずは、誰が相続するか決める

遺言によって決める

土地を相続する場合、まずはその土地を誰が相続するかを決める必要があります。

被相続人(亡くなった人)が遺言をしていた場合には、その遺言内容に従って相続人を決定します。

 

遺言で遺産を渡せる相手は、本来の法定相続人に限らず相続人ではない人でも可能です。

たとえば、遺言によって、ある土地を全部愛人に遺贈することなどもできます。

 

もちろん、相続人のうちの1人にすべての土地を遺贈するなどことも可能です。

このように、遺言で相続すべき人が指定されていたら、その土地は指定された受遺者が取得することになります。

 

遺産分割協議で決める(一般的である)

これに対し、有効な遺言がない場合には、相続人らが集まって遺産分割協議をする必要があります。

遺産分割協議とは、相続人全員が集まって遺産の分け方を話し合って決定する話合いのことです。

遺産分割協議をする場合には、相続人が全員参加する必要があり、1人でも欠けていたらその遺産分割協議は無効になってしまいます。

協議を開始する前には、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本や除籍謄本、改正原戸籍謄本をすべて取得して、自分たちが知らない相続人がいないかどうかをしっかりチェックする必要があります。

たとえば、被相続人が何度か結婚と離婚を繰り返している場合などには、自分たちが知らない前妻の子供などがいるケースもあるので、十分注意をしましょう。

 

遺産分割調停、審判で決める

相続人らが遺産分割協議をしても、意見が合わずに協議が整わないことがあります。この場合には、家庭裁判所で遺産分割調停をすることによって、土地の相続人を決めます。

遺産分割調停では、家庭裁判所の調停委員が話合いの間に入ってくれるので、トラブルの相手と直接顔を合わさずに話し合いをすすめることができます。

 

このことによって、お互いが冷静に話し合いをすすめて、遺産分割協議を進めやすくなります。

ただ、調停では、当事者に結論を強制することができません。そこで、遺産分割調停でも土地の相続方法が決められない場合には、調停は不成立になって審判になってしまいます。

遺産分割審判では、家庭裁判所の裁判官が土地の遺産相続方法を決定してしまいます。

たとえば、土地の相続人が指定されることもありますし、土地を売却するよう命令が出てしまうこともあります。

遺産分割審判になると、相続人らが望んでいるかたちでの相続が実現しにくくなることが多いので、土地の相続は、なるべく審判前に自分たちで話し合って解決する方法がおすすめです。

 

1-2.相続登記をする

土地の相続人が決まったら、相続登記をする必要があります。相続登記とは、相続した土地の名義人を書き換える手続きのことです。

遺産分割協議をしても、登記の手続きをしない限り、土地の所有名義は被相続人のままになってしまいます。

たとえば、父親から長男が土地を相続する場合であっても、長男が土地の相続登記をしない限り、永続的に土地は父親名義になってしまうので、将来の混乱につながります。

 

土地の相続登記をする場合には、管轄の法務局に行って土地の登記申請をします。

登記申請の際には、登記申請書を作成して提出しなければならず、遺産分割協議書や遺言書、印鑑登録証明書などの各種の資料も必要になります。

相続する土地の価格に応じて登記識別情報という書類をもらうことができます。これは、昔でいう「権利証」と同じものであり、土地の所有者であることを明らかにするための重要な書類です。将来土地を売却する際などに必要になるので、大切に保管しましょう。

 

土地の相続登記の手続きが難しいと感じる場合には、登記の専門家である司法書士に依頼することができます。

自分で司法書士を探すこともできますが、不動産業者などに相談すれば、提携している司法書士を紹介してくれることが多いので、その方が安心でしょう。

なお、土地を相続した場合、相続登記をしないで放置していたとしても罰則はありません。

不動産の相続登記、保存登記、住所変更登記の申請手続きは自分でする

 

1-3.相続税の申告と納税をする

土地の相続をすると、遺産総額の評価額によっては相続税が発生することがあります。

相続税には基礎控除があるので、それを超える評価額の遺産がある場合にのみ相続税が発生します。

 

相続税の基礎控除は、3000万円+法定相続人の人数×600万円です。

たとえば、遺産が3000万円の土地だけだった場合には、相続税は発生しません。

これに対し、遺産全体が5000万円の場合で法定相続人が2人のケースでは、基礎控除の金額は3000万円+600万円×2人=4200万円なので、基礎控除を超える遺産があることになります。

 

そこで、このケースでは、5000-4200万円=800万円分の遺産に相続税が課税されます。

相続税の計算や申告納税手続きの方法がわからない場合には、税理士に相談すると良いです。

税理士は税金のプロなので、相続税の計算方法を教えてくれますし、依頼すれば申告と納税手続きを代行してます。

 

2.土地相続の注意点

土地を相続する場合の注意点を見てみましょう。

 

2-1.遺産分割協議がトラブルになりやすい

遺産の中に土地が含まれていると、遺産相続がトラブルになりやすいです。

土地は、現金や預貯金のように単純に分割できる財産ではないので、誰が相続するかが問題になりますし、誰か1人が取得するとなると、不動産は通常高額なので、他の相続人との間で不公平になってしまいます。

また、誰も取得を希望しない場合にどうするかという問題もありますし、売却することが決まっても、具体的にいくらの価格でどのような業者に依頼して売却するかでトラブルになるケースもあります。

 

土地の遺産相続でトラブルになってしまったら、弁護士などの専門家に相談して解決してもらう必要があります。また、事前にトラブルを防ぐためには、被相続人が生前に遺言をしておくことが効果的な対処法となります。

 

2-2.必ず登記をする

土地を相続した場合、通常は相続登記をしますが、登記は必ずしなければならない、というものではありません。

法律上も、不動産の登記名義の書き換えをせずに放置していたとして、何の罰則もありません。

実際に、相続などが起こって所有者が変更されても登記名義の書き換えが行われずに放置されている事例がたくさんあります。

 

しかし、相続登記は必ずしておくべきです。

名義書換をしていないと、将来土地を売却する際などに登記が必要になって面倒ですし、外形上は誰の所有かわからないので、他人が勝手に土地を譲渡してしまったりしてトラブルになるケースもあり、他の相続人が勝手に自分名義に登記してしまうおそれもあります。

 

また、土地の名義を書き換えないまま自分が死んでしまい、子供が相続した場合には、登記は祖父のままなのに実は所有者が孫になってしまい、より実態と剥離した状態になってしまいます。

そうなると、さらに登記手続きが面倒になり放置されることにつながって、土地の所有者がますます不明になってしまうのです。

このように、土地の登記をせずに放置していると、さまざまなトラブルのもととなるので、土地を相続したらたとえ強制されないとしても、必ず早めに相続登記をしましょう。

 

 

2-3.相続税支払いと申告納付の期限

土地相続によって相続税が発生する場合、相続開始後10ヶ月以内に相続税の申告と納税が必要になります。

申告期限を過ぎると、利子税が課されたり高額な延滞税が課税されたりするおそれがあるので、注意が必要です。

税務署から相続税支払いの督促が来ているのに放置していると、相続人自身の財産を差し押さえられてしまう可能性もあるので、土地を相続して相続税が発生したら、必ず期限内に申告と納税を済ませるようにしましょう。

 

以上のように、土地の相続をする場合には、手続きも複雑なうえ、さまざまな注意点があります。

わからないことがあったら、当社にご相談くださいませ!

また相続した土地を売却したい場合には、下記ページもご参考くださいませ!

相続した土地を売却したい、相場より高く売るためのポイント

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