1.自営業、会社経営者の賃貸審査はむずかしい
自営業の方や法人の代表者の方は、設立当初に事務所や賃貸物件を借りることに苦労するものです。
なぜなら、自営業の方や会社経営者、代表者の方は賃貸物件の審査に落ちやすいことがあります。また事業開始や創業から2年経っていない場合には賃貸物件によっては審査の土台にすら乗らないことがあります。
自営業者や会社経営者は自分で確定申告を行い所得を得ている、もしくは役員報酬として毎月一定の所得を得ているのが一般的です。審査に落ちやすい理由の1つとして、所得を抑えられてる方がかなり多いことです。
「会社の売り上げや収入があるのだから、ある程度まで所得をおさえていても審査は通るだろう」という方
「会社を経営しているのだから、サラリーマンに比べて審査に通るだろう、たかだが賃貸物件を借りることぐらい問題ないはず」と考えられてる方が多いように思えます。
そこで、こちらのページでは賃貸物件の審査基準から自営業者、会社経営者向けの賃貸アドバイスまで詳しくお伝えしたいと思います。
現在、会社設立したばかりで事務所の近くに賃貸マンションを借りようと思ってる方、賃貸物件に申し込んだが審査に落ちてしまった方、経費を計上しすぎて所得をおさえられてるかた、ぜひ、ご参考くださいませ。賃貸物件の審査の知識をつけておきたい方は必見です。
1-1.創業期や事業開始時は審査に落ちやすい
まず、会社設立したばかりの代表取締役、事業開始届出したばかりの自営業者の方は、審査に落ちやすいです。
特に家賃が高い賃貸物件を選んでしまってる場合には、審査に落ちやすい可能性がグッと高くなります。
東京の賃貸物件は家賃が高いため、仕方ないと言えば仕方ないことなのですが…
家賃が10万円以上の物件は収入審査や勤め先の審査が有ります。その審査内容に関しても管理会社や保証会社にて一定の基準が定められています。
なので、ほとんどの独立したばかりの方は、高額の賃貸物件だと審査の土台に乗らないのです。
もちろん、独立したばかりの方がすべて審査に落ちてしまうわけではありません。
資本金が多い会社を設立された方、グループ会社の子会社として会社を設立された方、前職で実績を残されている方、会社や個人の名前に信用力が有る方は、高額の賃貸物件でも審査に通る可能性は十分に有ります。
基本的には開業されたばかりの方や独立されたばかりの方は、本来提出が必要である収入証明書等に代わるものとして、売上見込書類や試算表、事業計画書が提出しないといけません。家賃が高ければ高い程、提出書類を多く求められるため審査に引っかかってしまうことでしょう。
1-2.大手管理会社物件はむずかしい
財閥系グループの大手管理会社の賃貸物件、審査が厳しくて有名な管理会社の賃貸物件もあります。
そのような賃貸物件とは自営業者、会社経営者にとっては審査が簡単に通過できません
。
所得の基準はもちろんのこと、事業年数や従業員数、国民健康保険か社会保険か、事業内容、家賃が高ければ高いほどに厳しくチェックされます。
以下の項目に該当する方は、大手管理会社物件の審査に落ちやすいです。
- 事業内容が不透明
- 収入が多くても、所得が少ない個人事業の方
- 課税証明書や納税証明書、法人決算書の提出が出来ない方
- 事業年数が短い方
但し、分譲のタワーマンションだと、お部屋(専有部分)によって管理会社が異なります。
もし、気になっているタワーマンションがあれば、大手管理会社が管理してる住戸でなく、中小や地元の管理会社が管理してるお部屋に申し込んだほうが審査に通る可能性もあります。
1-3.審査時に求められやすい書類
申込人が自営業者や会社経営者の方であれば、法人の決算書や課税証明書等の提出を求める場合があります。契約時には課税証明書の原本提出を求められることもあります。
何故、課税証明書などの原本提出が求められるのかといいますと、雇用主であれば給料明細や源泉徴収票を作成・交付する立場であり、源泉徴収票等の数字を書き換えしてしまう方がいることも考えられるからです。
管理会社によっては、身分証明書ぐらいしか書類提出を求めない会社もあります。そういうところは、審査が甘いということになります。
独立開業したての方は、書類提出をあまり求めてこtない管理会社や審査が甘い管理会社の物件にしておいたほうが無難です。
もしくは、会社を退職する前に申し込みをして引っ越しをしてから開業や独立をするのが審査には通りやすくなるでしょう。
審査時に提出を求められやすいもの
(個人契約の場合)
- 確定申告書 控え 2年分
- 課税証明書もしくは納税証明書 2年分
- 身分証明書
- 会社概要もしくは事業内容がわかるもの
(法人契約の場合)
- 決算書類 2期分(家賃が高いと求められやすいです)
- 代表者もしくは入居者の収入証明書
- 会社概要もしくは事業内容がわかるもの
- 社会保険証等のコピー
1-4.高額家賃の物件はむずかしい
会社経営者の方や個人事業主の方は、家賃の半分以上を経費扱いにすることができるため、家賃が高い賃貸マンションを探す方も多いです。
高家賃の物件は、タワーマンションやデザイナーズマンション、低層型のレジデンスマンション、コンシェルジュサービスや共用施設が充実したマンションなどがあります。
そのような物件は都心等の立地にあり、勤務先へのアクセスや建物設備のグレード、環境を考えると、経営者向きの住まいといえます。
しかし、家賃が高くなればなるほど、審査の度合いは難しくなっていきます。個人契約の場合には、会社や事業の売り上げだけでなく、個人の所得をあげているかどうかが重要です。法人契約の場合でも、売上が高くても利益が出ていなければ落とされることがあります。
高い家賃のマンションに住むことを想定されているのならば、ある程度の税金を納めて、所得や利益をのこしておかなければいけません。
1-5.法人契約しておきたい理由
会社経営されてる方が賃貸マンションを探してる場合には、個人契約でなく、法人契約にしたほうが経費計上できます。
法人契約にしておけば、少なくとも家賃等の50%は、経費計上できます。また賃貸物件を借りる際の、礼金や手数料・保証会社等の費用に関しても、経費計上できます。
固定資産評価証明書を取得して、国税庁の通達を参考として計算をすると、8割から9割近く経費計上できる場合があります。
計算方法につきましては下記ページをご参考くださいませ。
当社でも、役員の住まいとして、約16万円の賃貸物件を貸していますが、固定資産評価証明書の取得により毎月約14万円経費計上ができています。
そのため、法人成りをしている場合には、個人契約をしてしまうと経費計上が出来なくなってしまうため、会社経営者の方が借りられる場合には法人契約にすることが多いです。その為には毎年売上や利益をしっかり上げておくことが重要となってきます。
なお、法人申し込みをして審査に落ちた場合、不動産会社は個人申し込みをすすめるはずです。
なるべく法人契約できるように、行き過ぎた節税や過少に抑えた役員報酬にしないことです。
2.自営業者、法人の代表者が審査通過するには
自営業者、法人の代表者、経営者が賃貸物件の審査を問題なく通過するためには、下記の方法が考えられます。
- 決算や確定申告する為に過少に節税しすぎない、ある程度の利益や所得をつくっておく
- 収入証明書や課税証明書、決算書類等の提出を求められない物件を探す
- 収入基準や審査基準がやさしい管理会社の物件を探す
- 安定した職業の保証人をたてる
1の決算や申告に関しては、そんなに急ぎで引っ越しを考えてない方は尚更意識しておいた方が良いでしょう。引っ越しは来年でもいいや、ということなら決算をむかえてから、もしくは確定申告を終えてから、賃貸物件の申し込みをしましょう。
2と3に関しましては、書類提出がうるさくないような物件、審査が緩そうな物件を探すということです。家賃が高ければ高いほど、審査の難易度は上がりますが、探せば家賃が高くても審査が緩い物件はあるものです。そこら辺は賃貸の仲介会社に頑張って探してもらう必要があります。
4に関しましては、なるべく保証会社を利用せずに、安定した職業の保証人をたてることで審査が通過しやすくなることもあります。
もしも、保証人がしっかりしてる職業の方であれば、申込人の収入基準に足りていなくても、物件審査に通ってしまうことがあります。
管理会社から、安定した職業、固い職業と判断されやすい職業として下記があげられます。
・公務員 ・上場企業に長く勤めているサラリーマン ・弁護士 ・医者
2-1.所得をいくらに設定しているのか
なるべく所得を抑えたいというのは、銀行融資や物件審査、住宅ローン等の借入などを考えていない場合には、自営業者や経営者の方なら当然のことです。
所得を多くとってしまうと個人の場合には所得税や住民税だけでなく社会保険料なども上がってしまいます。
ただし、賃貸物件の審査の場合でも、個人申込みであれば家賃の3倍以上の所得が無いと、審査の土台に乗ってきません。
代表者が入居者として、法人申込みをする場合でも、代表者が保証人になることを求められます。
保証人も同じく、家賃の3倍以上の所得が無いと、審査の土台に乗ってきません。
したがって、賃貸物件の申し込みを考えている場合には、前年度、前々年度から所得を家賃の3倍以上となるように、それなりに申告しておく必要があるのです。
また法人契約の場合では、決算が赤字であったり、売上が低かったり、2期分の決算数字が安定してなかったりすると、個人の所得が多くても審査に落ちることはあります。
2-2.管理会社を選ぶ
書類提出がうるさくないような管理会社の物件、審査が緩そうな管理会社の物件を探すということです。
事業開始したばかり、まだ創業2年経っていない、赤字申告している、所得を最低限に抑えている方にとって、安心して物件を探せる方法です。
「審査が緩そうな管理会社」といっても、不動産仲介会社だからこそ知ってる情報であって、個人の方では知りようがありません。
こればかしは、不動産会社に行って、事情を話したうえで、担当者に賃貸物件を探してもらうしかありません。
不動産仲介会社に行って教えてもらう
担当者によっては、管理会社の情報や審査の難易度について、あまり詳しくない人もいます。
新人の賃貸営業マンや地元の自社物件しか紹介しない賃貸営業マンなどは、数百社ある管理会社の審査について、どのような審査をするか、どのような書類提出を求められるのか、把握していません。
賃貸物件を扱っている不動産会社2社から3社に足を運んでみて、頼りになりそうな営業マンに任せたいところです。
2-3.保証人をたてる
保証人をたてずに保証会社を利用してしまうと、管理会社の審査、保証会社の審査、2つの審査に通過しなければいけなくなってしまいます。
そして、個人事業主の方や経営者の方で賃貸物件の審査に落ちやすい第一の関門が、保証会社の審査となります。
保証会社の審査は、保証会社によって異なります。
年商1億円以上、代表者所得1000万円、税引き後利益1000万円あるような法人でも、家賃10万円台の物件に落されてしまうこともあります。
保証会社は全国に10社以上ありますが、保証会社によって審査基準バラバラです。法人申込みは、サラリーマンなどの個人申込みに比べて厳しくチェックされます。
代表者本人所得が300万円、保証人が公務員で年収800万円で、家賃10万円台の物件に通ってしまうこともあります。本人が家賃3倍の基準に満たしていない、のにもかかわらずです。
まだ独立開業したばかりで保証人をたてられない場合には、審査が緩い保証会社を選んだ方が良いかもしれません。
2-4.社歴や資本金、規模
事業年数、従業員数、資本金、売上、利益、業態、社会保険加入の有無、ホームページの有無等、すべての項目を審査時に管理会社からチェックされます。
独立したばかり、法人設立したばかりだと、売上や利益、事業年数など足りていなく、会社の審査をすることが出来ないため、審査に落ちてしまいやすいです。
個人事業から法人成りする場合には、個人事業時の書類関係を提出することで審査してもらえることもあります。
さいごに
審査が緩い物件を探しましょう
開業、独立したばかりの個人事業主の方、法人設立したばかりの代表者の方、赤字経営になってしまっている方は、審査が緩い物件を探したほうが早いといえます。
所得をおおめにとっておきましょう
法人の経営者の場合、役員報酬を決めてしまうと、基本的には年度の途中で変更することはできません。
役員報酬を上げるにしても、また次の事業開始年度まで待たなくてはいけません。
高い家賃のマンションへの引っ越しを検討されてる方は、早い段階で所得をおおめにとっておくことです。
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