連棟式建物や長屋の住宅を売却、買取してもらうには

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1.連棟式の建物とは

数件の建物がつながっている形式の住宅のことです。過去に建物全体を一戸として建築確認をとっており、いまさら切り離して単独で建て替えることはできません。

ただし、建物1棟全体の所有者が1人であれば問題ありません。しかし、複数人がそれぞれ土地や建物の所有権を持っている場合には、建て替えやリフォームなどに関する問題が生じます。

連棟式住宅はテラスハウスやタウンハウス、長屋とよばれることがあります。

敷地が共有または一部共有でありながら建物が独立している場合、それはタウンハウスと呼ばれます。

一方で、敷地が分筆され、各々が100%の所有権を持ち、建物も独立している場合には、テラスハウスや長屋と呼ばれることが一般的です。

1-1.単独では再建築出来ない

連棟式住宅における最大の問題は、単独での建て替えができないことです。

連棟式住宅は、一般に築年数が古く、現行の耐震基準を満たしていない場合や劣化や損傷が多い場合が多いです。

建て替えや大規模なリフォームを行うには、他の建物関係者との協議が必要であり、単独での建て替えはできません。そのため、このような物件は売りにくいものとなっています。

上記の理由で購入希望者も中々あらわれないため、連棟式住宅は再建築不可物件とおなじように、建て替えが難しい物件として相場より安く売買されています。

1-2.住宅ローンがつかえない

基本的には、連棟式住宅では住宅ローンの利用が制限されることがあります。

耐震基準に適合していなく、建て替えがむずかしい連棟式住宅は担保価値が低いとみなされて大手都市銀行や信用金庫の住宅ローンは利用できません。

連棟式住宅を購入する多くの方々は、現金での決済やノンバンクや金利が高い金融機関でのローンを組むことが一般的です

連棟式住宅の購入には、建物の欠陥や瑕疵のリスクもあり、投資家や不動産業者は契約不適合責任免責のもと現金決済での買取が一般的です。

1-3.何棟でつながっているのか

連棟式が売れない

つながっている建物が多ければ多いほど、将来的な建て替えや老朽化の問題が解決しにくくなる傾向があります。

また、買い手を見つけるのも難しいです。

室内のリフォームは単独で行える場合もありますが、耐震補強や外壁のリフォーム、大規模修繕となると、各所有者の全員の同意が必要となります。

2戸や3戸であれば、リフォームの話し合いや土地の分筆・建て替えの決議がしやすくなります。しかし、4戸以上となると、各所有者の立場や状況が異なるため、話し合いもまとめにくくなります。

所有者が遠方に住んでいたり、高齢者で決議がまとまらない場合など、問題が生じることもあります。

1-4.店舗付きの物件

連棟式の店舗物件や店舗住宅も存在します。

これらの物件は商店街や飲食街など、通行量の多い人目に触れるエリアや人気エリアに位置していることが多く、需要があると言えます。

また、建物の構造も木造ではなく、鉄骨造やRC造である場合もあります。立地や建物の構造によっては、高い価格で売却する可能性もあります。

2.連棟式建物や長屋の住宅を売るには

連棟式の建物や長屋の住宅を売る際のポイントをご紹介します。

まず、売却価格はどの程度で設定すればよいのでしょうか。

一般的には相場価格から7割や8割程度で売り出すことがあります。また、賃借人がいる場合は利回りに基づいて売り出すこともあります

重要な要素は、建物の築年数や劣化状況、立地や接道状況です。

建物の状態によっては、購入後に大きな出費を心配することなく、買い手がそのまま利用できる場合もあります。

不動産会社による所有者の状況の調査やヒアリングが済んでおり、将来的な不安が解消されることで、購入を検討する方も増える可能性があります。

2-1.建て替えの問題を解決する

各所有者が全員、建て替えを希望しているのであれば、土地の状況や接道状況、条件の話し合いによっては建て替えができる可能性もあります。

それぞれの土地が接道要件を満たしていれば、建て替えが可能です。

連棟式建物

下図のように位置指定道路として認可を得るか、または各敷地が公道に2m以上接している場合に建て替えが可能です。

建て替えには自治体の敷地面積要件を満たす必要があり、分筆費用や分筆の方法、建て替え時期によって各所有者の協議が重要です。

連棟式 位置指定道路
連棟式 分筆

但し、ここまで話をまとめるには不動産仲介会社が数か月から1年、2年単位で動かなければいけないこともあり、

所有している連棟式物件を急ぎで売却したいと考えてる方にとっては、隣人との話し合いや協議を行っていくことは現実的ではありません。

2-2.各所有者に交渉、相談をする

当社では、連棟式住宅の売却実績において、他の所有者との交渉が成功したケースもあります。

4戸がつながっている連棟式物件で、当該建物と2戸挟んで反対側に位置する所有者が購入してくれました。

娘の為に購入しておきたいということで、相場より大きく価格を落とさずに購入してくれたケースでした。

また、他の所有者にも挨拶や現地立会いを行い、購入に興味を持ってくれる方もいらっしゃいます。

2戸や3戸がつながっている連棟式物件であれば、不動産会社が資金調達のサポートを行えば、他の所有者が購入してくれる可能性もあります。

2-3.売り出しについて

当社では、年に4戸から5戸の連棟式物件の販売を行っています。ただし、以下の点に注意が必要です。

売り出し価格は、再建築不可物件と同様に、周辺の物件相場の7割から8割以下になることがあります。

仲介で売却の依頼を受ける際には、築年数が35年以上経過している物件がほとんどです。

そのため、契約不適合責任の免責や現況有姿売買となることが一般的です。また、セットバックの要件や未登記の増築、建ぺい率オーバーなどが物件に存在する場合も少なくありません。これらの悪条件があると、買い手がなかなかつきません。

さらに、最も売りづらい要因として、購入希望者が現れても、都市銀行の住宅ローンを利用できないことが挙げられます。これには注意が必要です。

2-4.業者買取

再建築不可の買取

建物の状態や立地、接道状況によっては、不動産業者による買取が高額になることがあります。

不動産業者による買取は、契約不適合責任の免責や現況での買い取りとなるため、引き渡し後のトラブルも少なく安心です。

 

さいごに

連棟式物件における最大の問題は、単独での建て替えや大規模なリフォームができないことです。

相場通りの価格で売却するためには、土地と建物を全所有者が一括で売却するか、他の所有者に買い取ってもらう必要があります。

相場通りの価格での売却は難しいです。

当社では、連棟式物件の買取や売却に関する物件調査も行っております。お気軽にご相談くださいませ。

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