1.築年数が古い物件
築年数が古い一戸建てやマンションでは、
建物の劣化や設備の不具合があって売れるかどうか不安になりますよね。
- 築年数が不詳の一戸建て
- 築年が40年以上経ってる管理組合も機能していないマンション
- 再建築不可のボロボロアパート
下記のように売るに売れなくて困ってる方も多いんです。
- 個人の買い手があらわれない
- 買取業者からの相場より安い金額でしか話が入ってこない
- 古家付き土地や築年がかなり経ってる中古物件はリフォームに莫大な費用がかかる為、買い手が少ない
- 建て替えが困難な建物(築古マンションや狭小物件、既存不適格、再建築不可等)は買い手が敬遠する
建物の状態がボロボロであっても、引き渡し後にトラブルにならない為に瑕疵担保免責で売ることと、築年数が古い物件を売るためのポイントをおさえることが重要です。
1-1.木造住宅の場合
木造住宅となると、築年数が古い一戸建てやアパートが該当します。築年数が古ければ、土地の値段のみで売買されることが多いです。
古い建物が建っているのならば、更地渡しもしくは古家付土地として現況渡しとします。更地渡しの場合には、売主負担にて建物の解体、引き渡しまでに建物の滅失登記をしておきます。
ただし、再建築不可で築古物件や、狭小地、既存不適格物件だと、現況渡しのほうが望ましい場合があります。
なぜかというと、建物を新築できなかったり、建て替えるにしても要セットバックの物件だと小さい建物しか建てられないからです。
なので、土地建物に難がある場合には、土地建物は瑕疵担保免責の特約付き、現状有姿で売ることが望ましいです。
1-2.中古マンションの場合
鉄筋コンクリート造である中古マンションは、木造住宅に比べて利用できる耐用年数が50年と長いです。
築年数が25年未満のマンションであれば問題ないのですが、築35年から40年以上経っていて現行の耐震基準に適合していない場合があり、買い手が敬遠することもあります。
中古マンションで引き渡し後に多いトラブルとして、設備の不具合や給水配管の故障による水漏れ等です。
物件の引渡し前に設備の作動状況や劣化状況をよく確認しておくことと、瑕疵担保免責もしくは瑕疵担保責任の期間を引き渡しから1か月から3か月以内などにしておくことです。
1-3.築年数が古い物件は避けられやすい
木造住宅や中古マンションは築年数が古いと買い手から購入を避けられやすいです。
築年数が古い中古物件は不具合が多いし、構造箇所や細部までチェックもできません。
また、木造住宅は修繕費用が高く、マンションでも毎月の修繕積立金が新築時に比べて高くなっています。
とくにマンションは老朽化してる場合でも建て替えや大規模修繕は区分所有者の決議が必要になるため、建て替え問題を抱えている築古マンションは多いです。
1-4.売主には瑕疵担保責任がある
民法において、売主の瑕疵担保責任が定められています。
第570条 (売主の瑕疵担保責任) 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
原則、特約などを定めなければ買主が隠れた瑕疵の事実を知った時から1年以内であれば契約の解除もしくは損害賠償の請求ができるということです。
第566条 (地上権等がある場合等における売主の担保責任) 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。
2.売主の瑕疵担保責任
売主の瑕疵担保責任は民法でも負わない旨の特約ができるとされています。
ただし、売主がその瑕疵を知っていて告げなかった場合には認められません。
個人の方に売る場合、瑕疵担保責任の特約をつけることで話がまとまらないこともあります。
買主の不安を払しょくするためには、建物や設備の状態、点検をした上で物件状況報告書や設備表を添付することです。
そのほかにもリフォームや修繕を依頼した時の明細や書類があったほうが良いです。
親の実家を相続した現所有者が建物の状態がわからない場合では、瑕疵担保免責などの特約をつけて売ることは仕方ないことです。
2-1.瑕疵担保責任の特約
個人が売主の場合には、瑕疵担保責任を免除できる特約をつけることはできます。民法第572条では下記のように記されています。
民法第572条 売主は、第五百六十条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。
宅建業者が売主の場合には、瑕疵担保責任の期間は引き渡しの日から2年以上とする特約より、買主にとって不利となる特約は無効となります。宅建業法第40条では下記のように記されています。
宅建業法第40条 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法 第570条 において準用する同法第566条第3項 に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。
2 前項の規定に反する特約は、無効とする。
また瑕疵担保責任の免除の特約を定めていたとしても、売主に悪意や過失があって、瑕疵の存在を買主に告げなかった場合にはその責任を免れることはできません。
2-2.売主の説明義務
瑕疵担保責任免除の特約をつけて現況有姿によって土地建物を引き渡せば、引き渡し後の瑕疵の発見に関して売主が責任をもとめられることは少なくなります。
売主が認識していない瑕疵(隠れたキズや欠点)に関しては責任を問うことはできないのです。
だからこそ、売買契約時に物件状況報告書や設備表などの添付をしておいたほうが良いのです。
売主が説明義務違反として責任を問われる裁判事例もあり、それは売主が瑕疵を認識しておきながら、あえて買主に告げなかった場合です。
2-3.不動産業者による買取
築年数不詳の建物や経年劣化が著しい物件となると、購入を検討してくれる買主も中々見つかりません。
相続した子供が築古物件などを売りに出してる場合には、案内客は多くても中々成約にならないことが多いです。
隠れた瑕疵が多い築古物件や相続物件は、価格が安くない限り、買い手も中々あらわれないでしょう。更地渡しとして、土地値で売買されることが多いです。
ただし、不動産業者(宅建業者)が買主の場合には、個人の買主に比べて、不動産知識や調査能力があります。
不動産業者による買取であれば、瑕疵担保免責という特約はつけてくれます。
また裁判所の判断においても不動産業者が買主の場合には、不動産業者である買主に対しても調査の責任をもとめます。
引き渡し後のトラブルをなくすために、瑕疵担保免責という特約の条件をつけるだけでなく、買主が宅建業者であれば、なおさら売主にとって安心できるといえるでしょう。
当社でも、築古物件や中古物件を瑕疵担保免責という特約付きで買取できます。
さいごに
仲介会社に売却の仲介依頼をしていて、仲介会社に不備があったとしても、売主の責任が認められたケースもあります。
裁判所の判断や判例は、その事件の内容によって異なります。
もしも、築古物件やボロボロの物件を売却されるのであれば、買主に対して出来る範囲での説明義務を果たしておきたいところです。
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