1.専任媒介契約を簡単にしてはダメ
不動産を売却する際には、不動産会社に売却依頼をすることになります。
売却依頼をするにあたって、不動産会社と媒介契約を結びます。その媒介契約は3種類あります。
・専属専任媒介契約
売主は不動産会社1社のみと媒介契約を交わして、その不動産会社に不動産の売却(売買・賃貸)を任せる契約です。契約期間中は他の不動産会社に依頼できません。契約の有効期間は3か月以内です。
また自己で見つけた購入希望者や買い手とは、直接のやり取りはできず、不動産会社を通して取引をする必要があります。
専属専任媒介契約を交わした不動産会社は媒介契約の日から5日以内にレインズに物件登録をしなくてはいけません。また売主に対して1週間に1回以上の業務報告が義務付けられています。
・専任媒介契約
専属専任媒介と同じく、不動産会社1社のみと媒介契約を交わして、不動産の売却(売買・賃貸)を任せる契約です。契約期間中は他の不動産会社に依頼できません。契約の有効期間は3か月以内です
ただし、自己で見つけた購入希望者や買い手とは、直接のやり取りや契約は出来ます。その際には不動産会社に仲介手数料を支払う必要もなくなります。
専任媒介契約を交わした不動産会社は媒介契約の日から7日以内にレインズに物件登録をしなくてはいけません。また売主に対して2週間に1回以上の業務報告が義務付けられています。
・一般媒介契約
一般媒介契約であれば、他の不動産会社との媒介契約を交わすこともできます。契約の有効期間の制限はありません。
一般媒介契約を交わした不動産会社はレインズに物件登録をする必要はありません。また売主に対して業務報告の義務もありません。
一戸建てやマンション等の不動産を売却する場合には、不動産会社と専任媒介契約を結ぶケースが多いです。
専任媒介契約は不動産会社1社としか交わすことができません。よって、簡単に専任媒介契約を交わしてしまうと、不動産会社を選べなくなってしまいます。
1-1.家を売るとなったら査定をお願いするが・・・
家を売るとなったら、インターネットの査定サイトを見て査定依頼する、または物件近くの不動産会社に査定依頼をすることになるでしょう。
不動産会社によって査定の金額もバラバラです。査定=売れる金額ではありません。
不動産会社はすぐにでも専任媒介契約を結びたいために、高く査定金額を出す傾向があります。
しかし、ここで査定金額を高く出してもらったからといって、簡単に不動産会社と専任媒介契約をしてしまうと、3か月は解約できない場合があります。
高く査定金額出してくれた不動産会社が成約につながるように売却活動をしてくれないと意味が無いのです。
こちらの記事«不動産の無料査定を依頼する際に知っておきたいポイント»もご参照くださいませ。
1-2.1社しか選べない
専任媒介契約できる不動産会社は1社のみです。売却依頼できる不動産会社は1社しか選べないということです。
そのためにも、なるべく多くの不動産会社に査定をしてもらい、慎重に専任媒介契約先である不動産会社を選びましょう。
不動産の調査、買い手の住宅ローンの斡旋、売り物件の広告力・企画力・営業力など、不動産会社には多くの知識や実務経験が求められます。
不動産会社選びに失敗してしまうと、査定価格では売れずに、3か月損をしてしまう可能性が高いのです。
当社でも査定は無料です。お気軽にご依頼くださいませ。
1-3.一般媒介は無駄である
専任媒介でなく、一般媒介契約で2社から3社の不動産会社に売却依頼をしようと考える方も多いですが、
一般媒介契約はメリットよりも、デメリットが多いです。
一般媒介契約を交わした不動産会社は売主に対して業務報告やレインズ掲載などの義務はありません。
専任媒介契約でないため、一般媒介契約であると手を抜いた営業活動や広告活動になっている不動産会社が多いです。
一般媒介契約の場合には、金をかけて広告活動をしない不動産会社が多いです。
また不動産会社に当て物として利用される可能性もあります。
当て物とは・・・他物件をよく見せるために、比較物件として利用される物件。
1-4.レインズに登録される
専任媒介契約を交わしているのならば、不動産会社はレインズ(不動産業者間の情報サイト)に登録する義務があります。
レインズに掲載された物件情報は不動産会社 数万社が毎日チェックしている為、他の不動産会社がお客をつけてくれたり、広告を掲載してくれます。
専任媒介契約を交わした不動産会社が”囲い込み行為”をしなければ、レインズに掲載することでレインズを通して成約になる可能性が高いです。“囲い込み”については後述します。
レインズに登録されるのが専任媒介契約の一番のメリットなのです。
1-4.売り出しの3か月は非常に大事
はじめての売りだしの3か月間は家が売れるかどうか、非常に大事な期間となります。
不動産会社をきめたのならば、正式に売却依頼するために専任媒介契約を結びます。
媒介契約をしてから1週間から10日以内に下記の流れとなります。
不動産会社にて物件調査や市場調査、間取り図の作成 ⇒ 7日以内にレインズ登録 ⇒ 不動産ポータルサイトに広告掲載 ⇒ その他、現地周辺に案内旗等の設置やオープンルーム等の販売活動
広告掲載や販売活動を行ってから1か月から2か月以内に問い合わせ客の対応や物件の案内をすることになります。
そして、見込み客があらわれたのならば申し込みの受け付け、住宅ローンの手配、売買契約を3か月以内に交わしておかないと、3か月以内に決済(売る)ことをは難しいです。
不動産会社に依頼してから3か月経っているのに、申し込みがなかったり売買契約に至っていないということは半年経っても売れない可能性が十分にありえます。
専任媒介契約を更新するかしないかは3か月近く経った時点で考えてましょう。
1-5.賃貸と売買は違う
物件を貸したい場合には、賃貸管理をメイン業務としている不動産会社に依頼しましょう。
物件を売りたい場合には、不動産売買をメイン業務としている不動産会社に依頼しましょう。
不動産購入を仲介してくれた不動産会社と、購入した物件の賃貸借の専任媒介契約を結ぶ方はいますが、失敗する可能性は高いです。
賃貸管理をメイン業務としている不動産会社は、賃貸募集や入居者付、保証会社との提携、賃貸管理などの賃貸業務に慣れています。
売買をメインとしてる不動産会社は、入居者付けもできなく、入居者とトラブルがあった時にオーナーに損失を招きやすいです。
賃貸業務と売買業務はまったく別物です。
2.専任媒介契約の解約、解除をするにあたって
不動産会社との媒介契約を解約して、他の不動産会社に再度売却依頼をすることはよくあることです。
いつまでたっても売れる見込みがたっていないのらば、不動産会社との媒介契約を見直すべきです。
2-1.最大3か月の契約期間
不動産会社と売主との専任媒介契約期間の設定は3か月にすることがほとんどです。
もしも、媒介契約を解約したいのならば、解約通知に関して特段の定めが無ければ、更新月を目途に解約を申し出しましょう。
2週間に1回の業務報告があった際に、担当者に先に電話やメール等で伝えておきましょう。見込み客や買付客の有無を確認することは忘れないでください。
見込み客や買付客がいる可能性がある為、急に解約を申し出たとして売主にとって損をしてしまう場合もありえます。
2-2.媒介契約してる不動産会社と解約する理由
不動産会社に責任が生じることとして、査定してくれた金額で売ってくれるかどうかです。
媒介契約をとりたいために、査定金額を高くしておいて、いざ売り出してから販売金額を落とす提案をしてくる不動産会社のやり方はタチが悪いでしょう。
その他にも、下記のようなことがある場合には、媒介契約を解除しても良いでしょう。
・査定してくれた金額で全く売れない、売れる見込みが低い
・担当の営業マンが新人営業マン
・担当者がまったく業務報告や提案をしてこない
・不動産会社の売買実績や知識が少ない
基本的には売主からの媒介契約解除の申し出に承諾してくれる不動産会社は多いですが、下記のように信義則違反するようなことをおこしてしまうと
後々約定報酬に相当する損害賠償の請求などをされる場合も考えられます。
・一度、指値で買付があった購入希望者と、前の不動産会社を介さずに取引を再開する場合
・販売価格で買付や申し込み等があって、成約間際にあった場合
2-3.解約、解除するには
もしも、不動産会社が信義則違反するようなことをしている場合や、仲介業務を怠っている場合には、途中解除できる事由に該当する可能性は高いです。
もし、そのようなことがあれば、3か月間の更新時期を前に解除を申し出るのがトラブルなく良いでしょう。
本来はしっかりと売主に業務報告をして信頼関係を構築するように努めるべきなのですが、とはいえ、営業マンも物件調査や資料作成、広告掲載、営業活動等に十分に時間を割いている可能性もありえます。
不動産会社を信頼していいのか、迷っている場合には、他の不動産会社のセカンドオピニオンをうけてみましょう。
3.不動産売却のセカンドオピニオンが大事
もしも、今仲介業務を委任している不動産会社に対して信用が失いかけているのであれば、
他の不動産会社2社から3社のセカンドオピニオンを受けてみましょう。
不動産会社は他の不動産会社がどのような販売活動や広告活動を行っているのか、簡単に調べることが出来ます。
3-1.囲い込みをしていないかどうか
大手の不動産会社や地元の不動産会社でも、いまだに囲い込みをしている営業マンはいます。
囲い込みとは
売主、買主から仲介手数料を両方もらいたいために、売主の許可なく他の不動産会社からの客付を断ってしまうことです。
話しが入っていないにも関わらず、 『話がすでに入っています。』 『買付が入っています。』 『相続で売主が揉めている為、ご紹介はできません』などの理由で断ってしまうのです。
売却依頼した不動産会社が、囲い込みを行うことによって、結果的には売主が損をしてしまいます。
囲い込みをしているかどうかは、他の不動産会社のセカンドオピニオンを受けることによって、簡単に調べることができます。
依頼した不動産会社が囲い込みをしていることは、仲介業務の信義則違反で媒介契約を即解除する事由になります。
3-2.解約を急かす不動産会社には依頼しない
媒介契約の解約を急かす不動産会社もあるでしょう。
セカンドオピニオンの目的は、2点あります。今依頼している不動産会社の業務に問題が無いかどうか、また査定額や販売価格・広告活動が適正なものかつ十分に行われているかどうか。
売主の不安を煽って、すぐに媒介契約の解除を急かすような不動産会社に、媒介契約を換えたところで、良い結果が出ることは少ないです。
販売状況や売主の立場を理解してくれた上で、売主のための適切なアドバイスや意見をくれる不動産会社に相談をしておきたいところです。
さいごに
専任媒介契約をした不動産会社とそりが合わずに、無駄な期間を過ごして媒介契約を解除することになる方も多いです。
信頼できる不動産会社かどうか判断ができるまでは、簡単に専任媒介契約をしないことが一番です。
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