再建築不可の物件、身内が自殺してしまった事故物件、孤独死があった不動産を売るための適正な価格を知りたい方は多いでしょう。
接道状況(道路付け)や土地の形状・建物の老朽度によって、再建築不可の物件でも売れる金額や評価額はかわってきます。
事故物件や自殺物件では、発見された時の状況、経過年数、事故や事件の内容などによって物件の減価率はかわってきます。
目次
1.市場価値が低い不動産
自殺や孤独死があった物件、暴力団施設等が近くにある物件、敷地につながっている通路が狭い物件や袋地の物件、再建築不可物件等は市場価値が低くなります。
上記の物件は、どれぐらいの価格で売れるのかどうか、不動産業者でも判断が難しいです。
その物件の個別要因によって、減価の判断も大きくことなります。
孤独死があったとして当日に発見されていれば多少の減額で済みますが、既存の建物に影響が出てくる場合には評価が著しく落ちる場合もあります。
死後発見までどれぐらいの日数を要したのか
臭気や建物への影響がどれぐらいあるのか
買い手への心理的影響がどれぐらい考えられるのかどうか
東京都内であれば不動産価格が上昇している背景もあって、市場価値が低いとされる不動産でも需要はあります。
これが地方の物件となると、買い手を見つけることが難しくなります。
また、下記のように減価の要因が重なり合ってしまって市場で売却出来なくなる物件もあります。
・駅から遠くて再建築不可の物件
・再建築不可で借地権の住宅
・狭小地で間口が狭い、建て替えが難しい物件
1-1.買い手が少ない物件
事故や事件があった物件は賃貸需要も低くなるため、投資家の方でも敬遠する方は多いです。
自殺や殺人があった物件はなかなか売却できません。
市場評価も難しく、どこの不動産会社に相談しても明確なアドバイスをもらえないでしょう。
再建築不可の物件や心理的瑕疵のある物件は、不動産業者が購入する傾向があります。
再建築不可の物件は人に貸したとしても、借り手からしたら気にする要因が少ないです。買主にとっては、都市銀行の住宅ローンを利用して購入できない等のデメリットはあります。
ただ、再建築不可物件はリフォームや修繕を定期的に行っていけば、建物は維持できるのです。
不動産業者が購入する場合には、リフォームやリノベーションを施して、再販することが多いです。
1-2.人に貸すと、どれぐらい賃料が下がるのか
事故物件は家主や管理会社によって賃料の設定が変わります。
自殺があったお部屋の賃料や初期費用を一時的に下げて募集をします。
マンションでは同一の間取りタイプに比べて5000円から10000円位下げている傾向があります。
一度目の募集では、敷金礼金ゼロ等にして保証会社の費用を貸主負担とする管理会社もあります。
自殺がお部屋を相場より2万円から3万円以上も安く賃料を下げているお部屋は少ないです。
当社で仲介した賃貸物件では1割から2割位の値下げが妥当です。
殺人などの場合には、賃料や初期費用を下げても借り手は中々でてこないものです。
事件が起きたお部屋の賃料設定に関しては、事例が少ないため判断をすることは非常に難しいです。
同一の間取りタイプの賃料の半値で募集をしてすぐに成約にいたったケースはございました。
孤独死や自殺は相場賃料の1割引きから2割引き
再建築不可物件は借り手にとってデメリットは無く周辺の賃料相場で貸すことができます。
殺人や事件性があるお部屋等は告知内容によりますが、賃料を下げても人に貸すことは容易ではないです。
1-3.買取業者がいない
東京都内では中古マンションや戸建て、土地の買取業者が数百社以上あります。
ただし、事故物件や心理的瑕疵がある物件、再建築不可物件の不動産買取業者は少ないです。
買取業者が少なく、難ありの不動産の処分や売却に困ってる方は多いのです。
不動産会社に相談をしても、正しい査定をしてくれないことが多いのです。
当社では、そのような再建築不可や事故物件でも積極的に買取しております。
≪再建築不可買取~当社が再建築不可を高く買い取る4つの理由≫
1-4.正しい査定金額と需要の確認をする
心理的瑕疵がある物件、建築基準法の接道義務を満たしていない物件や袋地の物件等は査定が難しいです。
・借り手や買い手がつきづらい
・不動産会社でも事故物件や難ありの不動産を仲介した実績は少ないため
借り手や買い手が敬遠するだけでなく、不動産会社が仲介の依頼を断ることもあります。
案内しても中々成約にならない、不動産会社として仲介手数料が低額になるのに依頼を受けたくない等の理由があります。
1社や2社に売却の相談をしに行ってあきらめてしまう方は多いです。
多くの不動産会社に相談行けば解決するものではありません。
専門の不動産会社や取扱い実績がある不動産会社に行って、正しい不動産評価や需要の確認をするべきなのです。
2.心理的瑕疵の評価や裁判例
東京都心部や地方・物件種別によって、心理的瑕疵の有る物件の評価は変わってきます。
東京では人口も多く、一戸建てでも賃貸需要があるため、心理的瑕疵の有る物件を気にしないという買主も多いです。
東京と比べて地方の物件となると噂も広まりやすく、自殺や事故・事件性が高いものは敬遠されやすい傾向にあります。
2-1.自殺や孤独死、事故死があった居住用不動産
自殺や事故死(火事、転倒等)や孤独死があった物件は売れづらくなります。
自殺物件は不動産業者からの評価や査定は大きく下がりますが、病気による事故や孤独死の場合には早期発見されているのであれば気にしないという方もいます。
実際に、家の中での不慮の事故死は多いものです。
段差や滑りやすいフローリング、また血圧が急上昇しやすい浴室での事故死は交通事故死よりも多いとされています。
自殺などが有った居住用不動産は3割から5割といった減額の評価があり、早期発見されたが孤独死が有った居住用不動産は1割から2割といった減額の評価が多いです。
また火事などで死亡した場合には、建物の劣化や焼失箇所をリフォーム・修繕されていない場合には、自殺同様にかなりの減額の評価になってしまいます。
参考までに≪自殺や孤独死、心理的瑕疵がある事故物件を早期売却するには≫
2-2.収益物件の場合
賃貸需要がある東京23区内の収益物件の場合では、居住用不動産と比べて大きな減価になりません。
新宿や池袋などの繁華街に近いマンション、またタワーマンションでは自殺や飛び降り等がよく有ります。
それでも、他のお部屋の賃料や募集に大きな影響を与えません。
大島てるといった事故物件の情報サイトでも確認できます。
参考までに≪大島てる CAVEAT EMPTOR: 事故物件公示サイト≫
総戸数が少ないアパートの場合には他のお部屋で自殺や事故死などが有ると敬遠する方もいますが、居住用不動産に比べたら少ないと言えるでしょう。
借り手からしたら永住するわけではないから気にしないという方も多いと思われます。
2-3.気にしない方は意外と多い
当社では、賃貸物件や売買物件の仲介を行っています。
①地方から上京予定の新大学生に世田谷区永福のアパートをご案内したことがありました。
お父様、お母様、息子様の3人でご内見に来られました。
ご案内した永福のアパートのお部屋は、隣のお部屋より賃料が1万円安かったのです。
賃料が安い理由は、前の入居者が首吊り自殺をされたお部屋だからです。
お父様と息子様は安ければ問題無いと全く気にされていない様子、お母様はやめたほうが良いんじゃないかと気が気じゃない様子でした。
内見した際にも窓ガラスは一部割れていてクリーニングもされていなく、お部屋の雰囲気は決して良くはなかったのですが、大学から近いということでその物件にあっさり申し込みを頂きました。
お母様は内覧時に玄関の外で待っていましたが、お父様と息子様がお部屋を見て10秒で即決で申し込み。
2年後にお母様から快適に暮らせてるので更新したいので、そのままの条件でお願いしますと連絡がありました。
②事故物件のみ紹介してほしいとご依頼される賃貸のお客
安ければ事故や事件が起きた物件だろうが構わないというお客様は多いのです。
家賃や初期費用が安くなるなら、あえて事故物件を紹介してほしいというお客様は当社にも結構お見えになられます。
そのような方は、お金がないお客様というわけでもなく、一般にお勤めされてるサラリーマンの方々です。
東京23区の賃貸物件は賃貸需要があるため事故や自殺がおきた物件でも、賃料の値下がり率は大きくないのです。
だからこそ、23区の賃貸不動産は自殺や事故死、孤独死がおきたとしても、居住用不動産に比べたら減額が少ないといえます。
2-4.裁判例
不動産取引においては自殺や殺人などがあった場合に、心理的瑕疵として買主に告知してなければ売主が瑕疵担保責任を負う場合があります。
ただ、人が死亡したという事実だけであれば、瑕疵とは認められません。
孤独死や病死は自然死扱いとなりますので、事故物件に該当しない・心理的瑕疵にはならないとされます。
ただし、孤独死でも発見の状況に応じて、告知する必要性がでてきます。
不動産業者として、売主としての説明義務のリスクを考慮するのならば、しっかりと告知しておいたほうが良いでしょう。
また不動産取引では自殺や殺人がいつまでも瑕疵になるのか否かが、問題となってきます。
法令によるはっきりとしたルールもないのです。
自殺や殺人の背景、場所、経過年月日、土地建物の契約内容、利用目的などを考慮して、裁判の判例が出ています。
①老朽化等のため建物の瑕疵担保責任を負わないという契約で購入したケース
購入後に自殺をを知ったが、自殺は隠されたまま売買をしてるのだから、特約通りに瑕疵担保の免責はされないとして
買主の損害賠償が肯定された
②家族で居住する目的で都心のマンションを購入したケース
購入してから、マンションのバルコニーで前所有者の妻が縊首自殺をしていたことが判明。瑕疵と肯定され、契約解除が認められた。
3.再建築不可の評価
再建築不可とは建築基準法の道路に接していない、もしくは接道義務を満たしていない不動産のことです。
袋地で道路に直接面していない土地(無道路地)だったり、間口が狭小であればあるほど、評価も低くなります。
3-1.東京での再建築不可物件の需要
東京23区では一戸建ては高くて購入できる方も限られます。
特に都心部や城南エリア、城西エリアの再建築不可物件は相場より安ければ買いたいという方は多いです。
通路がしっかりと舗装されていて、前面道路の間口が3mから4mあるような再建築不可物件は購入希望者も多いはずです。
問題となるのが、私道持分がない場合です。購入後のトラブルを懸念する方も多く、数か月から1年経っても未だ売却できていない不動産もあります。
・袋地の物件で、通路や私道持分がない場合
・境界トラブルや近隣トラブルを抱えている場合
・間口が1mから2m未満で狭い、狭い通路が敷地まで長い
3-2.建物の価値はゼロ
再建築不可物件の殆どは木造住宅の耐用年数30年をオーバーしています。
中古市場で売買されてる再建築不可物件の多くは、リフォーム必須とされています。
建て替えよりもリフォーム費用のほうがかかるため、建物の価値はゼロでなくマイナスと評価されることがあります。
倒壊の危険性がある建物・傾きが発生してる建物は、地盤補強や床下・構造補強が必要になります。
建物が有効利用できるのであれば、うまく売却できることもあります。
空き家の所有者は建物の価値をなるべく減らさない為にも、建物の維持管理はしっかりすることです。
さいごに
再建築不可物件や難ありの物件、事故物件、自殺物件は売却することがむずかしいです。
自殺があった居住用不動産は、簡単に売却できないのです。
売却の実績がある不動産会社、買取再販会社に売却を依頼することです。
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